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日语文章写法及整理方法总结

作者:高考题库网
来源:https://www.bjmy2z.cn/gaokao
2020-10-30 01:36
tags:学日语的方法

质朴-骨软骨病

2020年10月30日发(作者:游绍安)


文章の書き方?整え方

1.始めまして

1)どんな文章が良いのか

私たちが職場や日常生活の中で文章を書こうとした とき、どんな文章を目標にすればよ
いだろうか。それは、コミュニケーションの効果という点に立った 、分かりやすい文章で
ある。

世の中には、名文?美文と呼ばれるものがある。 人の心を揺り動かし、いつまでも記憶
に残る文章がある。そんな文章を書くことが出来たら、どれほど 良いだろうと思うことが
ある。しかし、このような文章を目指す必要は無い。むしろ、目指してはいけ ない。こん
なばめんを想像して見よう。

職場で、商品の破損情況を伝える報告 書を読んだ係長は、「商品Aに被害は無かった」
と安心した。ところが、同じ報告書を読んだ課長は、 「商品Aがどれくらい破損したのか、
すぐに正確な数字を報告させろ」と係長をしかった。係長は、課 長がなぜそんなに怒るん
かわからない。商品Aは無地だったじゃないか。。。

報告書には、こう書かれてあった。

商品Aの全ては破損しなかった。

この箇所(かしょ)は、二通り解釈(かいしゃく)できる。「破損した商品は無かった」
と 「一部の商品は破損した」と。これでは仕事がスムーズに流れない。この報告書は、コ
ミュニケーショ ンに失敗したのである。

ここで注意しておきたいのは、この失敗の責任は、係長も課 長で見なく、報告書を作
成したものにあることである。自分はそういうつもりではなかった、もう尐し 、こちらの
言いたいことを組んでくれれば良いのに、といった言い訳は通用しない。相手にこちらの< br>意図を伝えることが出来て、初めて、コミュニケーションが成功したいといえるからであ
る。原 題のわたしたが目標とする文章は、読み手に自分の意図を正確に伝えることが出来
る、わかりやすい文 章である。

2)分かりやすい文章を書くために

この文章の前半で は、分かりやすい文章を書くための目安をいくつか揚げた。それぞれ
の目安には、出来るだけ例を示し 、実際に文章を書くときに役立つようにした。


文章を書く前に
文章を書くときの、日ごろの心構え(こころがまえ、心の準備、覚悟)
文章を書くときの基本
二つの基本原則を身につける
文章の型を選ぶ
文章には二つの型がある
段落の作り方
改行(かいぎょう)=段落ではない
大事なことを先に書く
読み手は何を知りたいのか
見出しをつける
見出しをつけるときのボイント
見出し:1)新聞や雑誌の記事の表題 2)本や帳簿の目次や索引(さく
いん)3)辞書に項目としてあげ打もの
書き出しを大事にする
書き出しは工夫する
長くしない
段落も分も短めに
一つに限る
書く内容は一つに
一つに絞(しぼ)る
解釈も一つに
捩(ねじ)れしない
文章の構想は正しく
近づける
係り受け関係にあることばは近くにおく
避ける
避けたい語法(ごほう)のいくつか
助詞の使い方に注意
助詞の役割は重要
正しく使う
慣用に従って使う。
箇条(かじょう)かきを活用する
箇条かきは理解しやすい
表現の強め方
強調はほどほどに
表記の仕方に注意
文字?記号の使い方
文章を書いた後に
推敲(すいこう)時の注意

文章は、そ の全体を読んで理解するものである。だから、多尐あいまいなとことや不明
瞭なとことがあってもいい ではないか、全体を読んで分かれば、それではいいではないか
といわれるかもしれない。しかし、文章 は部分の積み重ねである。適切に部分を積みかせ


ね、その上で全体の調和を図るように したい。達意(=言おうとすることが良く分かる)
の文章を書くための参考にしてほしい。

3)文章の種類の違いによって

この文章の後半(こうはん)では、文章の種類 の違いによって、注意したほうが良いこ
とを揚げた。ビジニス文書と届書のところでは、標準的な書式 を示した。

前半と後半をマスターすれば、もう「分かりやすい文章」は手の届くところにある。

記録的な文章の書き方
レポートの書き方
記録文の書き方
日記?感想文の書き方

伝達?説得的な文章書き方
論文の書き方
説明文の書き方
報道文の掻き方

日常の手紙の書き方

手紙に使われる言葉

外国郵便の掻き方

ビジネス文章の書き方

届書?願書など

4)ワープロを使うときに

最後に、特定の機種の使い方ではなく、ワープロを 使って文章を作るときの一般的な注
意項目をいくつかあげた。ワープロは便利な機能をそろえている。 しかし、油断をすると、
思いもよらないミスを起こしてしまうことがある。効率よく文章を造るための 参考にして
ほしい。

2.文章を書く前に

文章を書くこと が職業や趣味になっている人は別である。普通は、いつ、文章を書かな
ければならないか分からない。 そのようなときが来てあわててないためには、日ごろの準
備と心構えが大事である。



1) 文章に書く内容を豊かにしておく

文章を書くための日ごろの準備としては、次のようなものがある。

1.いろいろな問題や出来事について、自分で客観的に考える習慣をつけておく
2.関心の 深い問題や出来事については、世間の代表的な意見や見解のおおよそ
を知っておくようにする。 3.関心に深い問題や出来事については、自分の意見を持てるようにしておく。
こと時、自分の意 見と他人の意見との違いを記録しておくと良い。
4.注目すべき事実や実例には注意し、必要な情報は集めておくようにする。
5.集めただ けではいけない。整理?分類して、いつでも入用できるようにして
おく。集めた情報そのものではなく 、整理?分類の方法が、文章の出来を決める
こともある。
6.国語辞典?漢和辞典などの辞 典類は手元に置き、分からない言葉は直ぐに調
べる習慣をつけておく。

2)文章を書くときの論理を知っておく

文章は、感じたままを自由に書けば よいというものではない。他人に読んで
もらう文章では、次のことに注意する。

1.調和の取れた表現を心がける。書いた後日をおいて読み返してみると、行
き過ぎの表現や不適当な表現に気づくことがある。
2.自分の考えや立場と異なった人や、その人が書いた文章を不当に取り扱わ
ない。例え自分とは違っていても、敬意を払うようにする。
3.みだりに他人のプライバシー(私生活に関すること、また、私生活を守る
権利)を公表しない。
4.言葉の使い方に行き届いた配慮をする。下品な言葉や人を馬鹿にした言葉
を使わない。
5.他人の文章を引用する際には、執筆者(しっぴつしゃ)?文章の題名(書
名)?発表年などを明記する。又、引用する文章は、「」で囲む、改行して
別の団らにするなどして、自分の文章とはっきり区別する。
6.人名や団体名など固有の名称は、正確に記録?使用する。たとえ、どん
な簡単な漢字で書かれてあっても、読みを添えて記録しておくと良い。
7.登録商標であるのか普通の名称であるのかを確認しておく。普通の名称
であると思い込んでいる登録商標が、結構多い。
8.原稿用紙を用いる場合には、読みやすいじで書く。
9.決められた分量を守る。わ ープルを用いる場合には、あらかじめ1ペー
ジの行数?1行の文字数を依頼者に確認しておくと良い。
10.締切日や提出日を守る。

3.文章書くときの基本


文章の種類には、説明書?記録分?論文?日記などいろいろある。しかし、ど ん
な種類の文章であれ、分かりやすい文章を書くためには、始めに、次の二つに注意を向け
な ければならない。

1)文章の目的何か

まず、今書こうとしている文章の目的をはっきりさせることが必要である。
たとえば、そ れが実験や調査の内容を報告する文章なら、尐なくとも、実験や調査の目
的?方法?結果、結果に対す る考察などを書かなければならない。どれかひとつを欠いて
も、まとまった報告の文章とはいえない。 結果に基づかない考察を付け替えたりしてはい
けない。

新製品を宣伝する文章 なら、何よりも、消費者に、その製品を買おうとする気持ちを起
こさせるような文章を目指さなけらば ならない。新製品の性能?特色が、どれほど的確に
示されていたとしても、買い手に購買意欲が起こら なければ、宣伝の文章としては失格で
ある。

もしも、自分の意見を伝える文 章なら、意見そのものだけではなく、意見の論拠や予
想される反論に対する再反論といった事柄も、 書くほうが良い。自分の意見を納得して
もらうためには、そのほうが望ましいからである。又、意見を 伝える文章では、事実と意
見を混同(こんどう)しないようにしなければならない。

このように、書く文章の目的が決まれば、書かなければならない事柄や書くときに留
意し なければならない事柄が決まってくる。目的が変われば、これらの内容も変わる。目
的がはっきりして ないと、書くべき事柄や留意事項もあいまいになり、結局「何を言いた
いのかさっぱり分からない」文 章を生んでしまうのである。

2)文章の読み手は誰か

次に大事なことは、今書こうとしている文章はどんな人が読むのかということである。

手紙の読み手は明らかである。その、読み手が明らかな手紙の場合ですら、これだけの
説明 ではうまく伝わらないのではないか、こうかくと不愉快にさせるのではないかなどと、
そのときの読み 手の予備知識や心理状態を想像しながら文章を書く。読み手がたった一人
ではない文章なら、なおさら のことである。

?読み手の関心や興味は何処にあるか
?読み手はこの文章に何を期待するか
?読み手の予備知識はどれくらいか

たとえば、読み手の関心ことがうまく想定できれば、その話題に触れることで、読み手
を自分の書く文 章に引き込むことができる。その結果、効果的に意図を伝えることが出来
る。操作方法が直ぐに探し出 せないように書いてあるパソコンのマニュアルは、読み手の
期待を売り切ったものといえよう。読み手 が一般社会人と中学生とでは、おのずと言葉遣


いも変わってくるだろう。読み手を意識 することは、効果的な文章を書くための条件であ
る。

4.文章の型を選ぶ
漫然(気ままなま)と文章を書いてはいけない。文章の構成を考える必要がある。
文章の種類に忚じて、ふさわしい文章の型がる。

1)变述(じょじゅつ、順序を追って述べること)性

序論→本論→結論と進む構成が变述型である。論文の構成が典型である。
「結論」には、筆者のいつ も主張(しゅちょう)したい事柄から述べられる。それでは、
「結論」を最初に以って来るべきではな いかということになるが、そうではない。なぜな
ら、論文は「論性の文」だからである。

主題と問題点を停止する「序論」

反論を予測しながら問題点に検討を加え、論所を重ねる。

論書をふまえて結論を導く。

このように、「結論」はそれまでの積み重ねの上に成り立 つ。もしも、問題点の検討に
不備があったり、「序論」だ提示した問題点が、何の「問題」でもなかっ たりしたならば、
「結論」は筆者の一人よがりになり、読み手の共感(きょうかん)得ることが出来な くな
る。变述型の文章では、結論もさることながら、それに行き着くまでの展開が重要なので
ある。

2)逆(ぎゃく)三角型

結論→説明→補足説明と進む構 成が逆三角型である。新聞記事やビジネス文書の構成
がこの典型である。

逆 三角型の文章では、結論が先に来る。变述型を只ひっくり返した(裏返す)という
ことではない。变述 型といつも異なるのは、逆三角型では、論証「証明」が不要なことで
ある。言い換えれば、論証が不必 要な文章に、この方は適している。

『新聞記事の例』
**会議は11日、欧州連合(EU)加盟(かめい)に関する条約を賛成多数で批准した。
(結論) これにより**側の加盟手続きが終了、同国は来年一月一日からのEU加盟が事
実上確定した。(説明 )EU拡大の中で来年一月からの新規加盟を見込めんでいる4か国の
うち加盟を正式決定したのは** が始めて。**は先の6月の国民投票で3分の2以上の
多数で支持された。(補足説明)


『書き換えの例』
欧州連合(EU)拡大の中で来年1月か らの新規加盟を見込んでいる4か国のうち**
は、先の6月の国民投票で3分の2以上の多数で加盟が 支持された。その後、加盟手続き
を終了させるために、**議会は11日、EU加盟に関する条約を賛 成多数で批准した。
この結果、**は来年1月1日からのEUの加盟を、4か国のうち初めて事実上確 定させ
た。
時間の順序に従って書き換えると、このようになる。しかし、これでは伝え たいポイ
ントが明瞭である。証明を必要としない、事実を伝える文章では、逆三角方が良い。

5.段落の作り方

改行の部分から次の改行の前までを段落という。段落は文章全体を構成する要素
である。それぞれの 段落の要約を追っていくと、文章全体が正しく把握できるようにしな
ければならない。只改行すればよ いのではない。

1)大きな意味の切れ目で改行して、ひとつの段落を作る。たとえば 、感想文では、
書く目当てや見方?立場を変えるときに、新しい段落とする。説明文では、新し
い考えや事柄に移るときに、新しい段落にする。
2)その段落の中の全ての文は、段落の全体が表す考えとなんらかの関係があるよう
にする。
3)その段落の全体が表す考えと全く無関係な文を入れないようにする。
4)そん 段落の全体が表す考えを端的(明白)に述べている主題文(中心文)が入っ
ていうるようにする。
5)主題文は、主題分であることが良く分かる位置になるべきおくようにする。段落
のは じめか終わりが良い。
6)文と文を結びつける語句は、正しく用いるようにする。
7)段落の長さを工夫する。長すぎる段落は、読みづらく要点を捕らえにくい。短す
ぎる段落は、文章 の流れが渋る。
8)ある段落の内容と次の段落の内容がうまくつながらないときには、この二つ の段
落に橋渡しの段落をおく。
9)段落の中の文と文は、自然につながるようにする。 分と文の続き具合には、次の
ようなものがある。文章の種類の違いをふまえて、適当な並べ方を選ぶよ うにす
る。
?考えの自然に順序に従って並べていく方法。これはいつも一般的なものである。
?出来事や行動を時間の順序に従って並べていく方法。これもよく使われる。
?理由から結論(原因から結果、事実から感想)への順に並べていく方法。理由
や事実が、読み手にとっても書き手にとっても大事なものであるときに、この
方法を用いる。ただし、不用意に用いると、論理が混乱したり文章が冗長
(じょうちょう)になったりするので、注意する。
?結論から説明への順に並べていく方法。問題が複雑で、長い説明が必要なとき
などにこの方法を用 いると、全体が理解されやすくなる。結論がはじめから分
かっているので、論理が一貫する。実用的な 文章では、『理由→結論』型より


もこの『結論→説明』型がよい。
?実例やたとえを出して進めていく方法。難しい話題、抽象(ちゅうしょう)的
な話題のときに、この 方法を用いる。この方法は読み手のためだけではない。
具体的な例を並べていくと、実は言おうとする 内容をよくわかっていなかった
ことに気づくことがある。書き手の考えをまとめるのにも役立つ。
?比較や対照を示して進めていく方法。述べたい事柄と関連のある事柄を示して、
二 つを比較?対照させていくと、書き手の主張や意見を強調することができる。
また、文章に広がりを持 たせることが出来る。

6.大事なことを先に書く
大事なこととは、読み手が一番知りたい事柄である。知りたい事柄を先に書くと、読
み手の印象も強 くなり、誤解を防ぐことが出来る。時間があまり無い読み手への親切でも
ある。

例1:
清掃は、最上階の5回から順に、4階、3階と進める。1階から始めると、せっか く掃
除した廊下を、道具の移動などで通行することになり、再び汚してしまう。
清掃につ いての注意書き。これをもし、『清掃は、1階から始めると、せっかく清掃し
た廊下を、道具の移動な どで通行することになり、』などと始めると、[要するにどうすれ
ばよいのだ]と、読み手はいらだっ (苛立つ)てしまう。明瞭な指示を含む文章では、そ
の指示を先に書く。

例2:
行き先は、伊豆方面が妥当と考えます。理由は、メンバー全員とって均等に近い地域な
ので、 移動時間を短縮できます。費用も予算内に抑えられます。また、伊豆はメンバーの
8割が始めて訪(お とず)れる地域です。
旅行の行き先を決めるために提出された文書。意見?主張を先に書き、理由を あとで補
足する。この構成は書き手の理論を一貫させるので、読み手は理解しやすくなる。一つ一つの理由が独立しているのなら、箇条(かじょう)書きにするとなおよい。
例2を書き換えた例:
行き先 伊豆方面が妥当

理由:
?メンバー全員にとって均等に近い地域なので、移動時間を短縮できる。
?費用も予算内。
?伊豆はメンバーの8割が始めて訪れる地域。

例3:
自殺の原因は特定できない。
A君に問題行動は無かった。学習態度もよく、遅刻もめったに無かっ た。テニス部では、
2年生の中軸(ちゅうじく)として活動していた。交友関係も良好だった。両親の 話では。。
調査報告の例。原因「理由」と結果を述べる文章では、結果を先に書くとよい。読み 手
はまず結果を知りたがっている。複雑で多岐(たき?多方面に分かれていること)にわた

< p>
ることもある原因(理由)は、あとで確認できるような文章構成を心がけたい。

例4:
電話を受けるときの注意
所定の用紙には、相手の名前、相手の電話番 号、電話の内容、受けた時刻、当方から電
話をするのかどうかなどが、表形式でまとめられている。担 当者が不在の場合には、この
用紙に従って必要事項を記入し、担当者に渡すこと。
「所定 の用紙」に記載されている項目を、ここで説明する必要は無い。用紙を見れば分
かるはずである。大事 なことは「所定の用紙」に記入すつことである。
例4を書き換えた例
電話を受けるときの注意
担当者が不在の場合には所定の用紙に必要事項を記入し、担当者に渡すこと。

7.見出(みいだ)しをつける
見出しをつけると、読み手に一目で文章のポイントを伝え ることが出来る。文章の内容
を的確?簡潔に表現したものが望ましいが、さらに次の2点を心がけたい 。

1)注意を引く見出しをつける
せっかく書いた文章も、読んでもらえなけ れば死んだも同然である。読んでもらうため
には、読み手の注意をひきつける見出しを工夫する。

新聞記事の例:
<「景気は緩やかに回復」と日銀>
日本銀行が 行っている企業短期経済観測調査によると、8月の業況判断指数が5月に比
べて大幅に改善した。製造 業?非製造業ともに上向きであることから、日銀は「景気が回
復に向かっているという見方を裏付けた 」と見ている。しかし「回復の足取り(歩調)は
緩やかになる」とか。

記事 は、日銀の経済見通しについて述べている。だからといって、見出しを「日銀が経
済見通し」としたら 、どうだろう。読み手の関心である、「景気は回復してのかどうか」
に答えたものではない。まして、 「日銀、企業短期経済観測調査を発表」となると、「企業
短期経済観測調査」という言葉を知らない読 み手は、まず見向きもしない。読み手のきょ
うみ?関心にぴったり合うような見出しを探すことである 。

2)文章の展開が分かるように付ける

読み手は、いつも時間 をかけてゆっくり文章を読むとは限らない。見出しを追っていく
だけで、文章の大体の内容と展開が理 解できるように見出しをつけることが、読み手に対
する親切である。

レポートの分かりにくい例:

1.はじめに



2.目的

3.方法

4.結果

5.考察

6.おわりに

しばしば見受けられる見出しの例である。見出しの構成は適切だが、内容がまるで分か
らない。

レポート分かりやすい例:









1.調査の目的

1)平安朝文学における位置づけを考える

2)語法の変遷(へんせん)を辿(たど?後を追って探り求める)る

2.調査方法







1)「あはれ」などの頻度をしらべる

2)源氏物事と比較する
3.調査結果

1)「をかし」が頻出

2)源氏物事の語法との違い

4.考察

1)定説の疑問

2)新しい語法の発見

体言止めにこ だわる必要は無い。「語法の変遷を辿る」のように文の形であってもかま
わない。内容の想像がつくよ うな見出しを付けることが、肝心(かんじん)である。


8.書き出しを大事にする

書き出しは、続く文章への入り口。 読み手を追い返し(追い払ってもとの方へ戻す)て
ような入り口を作ってはいけない。読み手をすっと 通してしまう入り口を作るための注意
を、いくつか列挙(れっきょ)しよう。


1)自信なげに始めない

「よくない例」

どうも文章を書く というのは、子供の頃から苦手で、作文の時間というといつもなきそ
うになったものだが、…

正直(しょうじき)がいつもよいとは限らない。読み手が不安になる。

2)言い訳から始めない

「よくない例」

編集部から電話があって「現代日本語の諸相」というタイトルで、学生を中心とする
若年層(じゃく ねんそう)の日本語の乱れについて書けとのこと。若者に接する機会が多
い筆者であるが、ふだんあま り深く考えたこともなく、締切まで時間もないので、…

読み手は言い訳を聞きたいのではない。筆者の意見を知りたいのだ。

3)だらだら(物事の進行が非常に遅く、際限なく続くさま)と始めない

「よくない例」

今度の取材(しゅざい)旅行は、世界各国の人々で賑(にぎ) わう、観光ビジネスの島、
映画「慕情」の舞台にもなったロマンの島、香港島を訪れたわけだが、今回 は、観光地め
ぐりでもなく、経済発展の秘密を下がるためでもなく、第一これについては、多くの研究
が出版されており、もちろんそれらの中には採り上げるべきものもあるが、中国大陸のゾ
ンザ イを思うとき、...

文章の要点が分かるような書き出しが望ましい。これでは、どんな内容なのか想像がつ
かない。

4)疑問形を連発しない

例:人はどう生きるべきか、死ぬべきか。人 間らしい死に方とはどうある引きか。そして、


尊厳死(そんげんし)ということが、あ まりに安易に語られる原因は何か。このような問
題に対して、私は,…

効果的なスタイルが、重ねすぎると、焦点(しょうてん)がぼけてしまう。

5)感情的にならない

例:『見れる』という言葉を聴くと虫酸(むしず?ひどく嫌うたとえ)が走る。なんと
いやらしい響きの言葉だ。こんな日本語、絶対認めてやらない、…
『見れる』が嫌いだということは分かるが、読み手が納得してくれるかどうか分からない。

6)慣用句やことわざを安易に用いない

例:むかしから「人の噂も七十五日」と いうが、あの出来事は、もう誰も覚えていないだ
ろう。…

便利な書き出しだが 、手垢(てあか?手の汚れ)に塗(まみ)れたた言い回し(言葉遣
い)は、読み手の意欲を削(そ)ぐ 。


9.長くしない

もちろん、舌足らず(舌がよく 回らず発音が不明瞭なこと、転じて表現が不十分なこと)
はいけない。しかし、短くしたほうがよい場 合が多い。

1)1つの段落は5文ぐらいまで

5文ぐらいが目安で ある。1つの段落の文の数が多くなると、非常に読みにくくなる。
文字がぎっしり(物事がすまなく詰 まっているさま)詰まっていると、読もうとする気持
ちが萎(な)えてしまう。

反対に、1行ごとに改行があるような文章もよくない。流れがぎくしゃく(物の動き、
人の言動、人間 関係が円滑でないさま)するだけでなく、読み手は説明不足の感じを受け
ることがある。

「よくない例」

小豆島、おなご先生、高峰秀子。この三つの言葉から、映画 『二十四瞳(ひとみ)』
を思い浮かべることが出来る人は、尐なくなったことだろう。映画は、小さな 島に赴任し
た先生と、彼女を取り巻く子供たちの心の交流を温かく描いていた。戦争が終わって、「お
なご先生」が大きくなった子供たちと再会する場面では、不覚にも涙がこぼれたのを記憶
して いる。最近の映画は、SFXゃら何やらで、矢鱈(やたら?むやみに、分別なく)お金
はかかっている ようだ。しかし、空虚である。心を打つものがない。しみじみとした気分


にならない。 ゴールデンウィーク<黄金(おうごん)週間>も間近(まぢか)である。
わたしは、映画館に足を運ぶだろうか。

「書き換えた例」

小豆島、おなご先生、高峰秀子。この三つの言葉から、映画『二十四瞳(ひとみ)』を
思い浮かべるこ とが出来る人は、尐なくなったことだろう。

映画は、小さな島に赴任した先生と、彼女を 取り巻く子供たちの心の交流を温かく描い
ていた。戦争が終わって、「おなご先生」が大きくなった子 供たちと再会する場面では、
不覚にも涙がこぼれたのを記憶している。

最近の映 画は、SFXゃら何やらで、矢鱈(やたら?むやみに、分別なく)お金はかかっ
ているようだ。しかし 、空虚である。心を打つものがない。しみじみとした気分にならな
い。

ゴールデ ンウィーク<黄金(おうごん)週間>も間近(まぢか)である。わたしは、映
画館に足を運ぶだろうか 。

2)1つの文は50字ぐらいまで

おおざっぱに言って、20 字から50次ぐらいが、1つの文の最適の文字数だといわれ
ている。尐なく過ぎても多すぎても、読み 手に苦痛を与える。めりはり<1.調子の緩急
(かんきゅう)、2.音調の高低>をつけるなど、特別 な効果を狙うときは別だが、普通
はこの範囲に収めたい。

1.「~し」「が」などで文を続けない。

「~し」「~おり」など動詞の連 用形で文を終わらせていくと、文はどんどん長くなる。
また、「が」は便利な助詞であるだけに、要注 意である。

「よくない例」

本部は、各支部が提出した当該月の 売り上げ報告を参考にして翌月の仕入れ総量と各支
部への配分量を検討し、一週間以内にこれらを各支 部へ伝達する。

「書き換えた例」

本文は、翌月の仕入れ総量と各 支部への配分量を検討し、一週間以内にこれらを各支部
へ伝達する。検討の際には、各支部が提出した 当該月の売り上げ報告を参考にする。

よくない例:

レタス(西洋野菜の一つ)が高い


今年は夏の日照りの続きの影響で苗(なえ)植え付 けが遅れたうえに、9月中旪の長雤
で腐るものが続出したが、今度はその後の好天で生育が進み出荷が 早まってしまったため
に、品薄(しなうす)が続いている。

書き換えた例:

レタスが高い

今年は夏の日照り続きの影響で苗の植え付けが遅れ た上に、9月中旪の長雤で腐るもの
が続出した。さらにその後の好天で生育が進み出荷が早まってしま ったために、品薄が続
いている。

よくない例:

劇団の観 客動員数は2年続いて減尐しており、バブル崩壊後、企業からの援助も思うに
任せない状況にあるが、 文化向上(こうじょう)の使命を担(にな)うものとしての意識
を捨ててはいけない。

書き換えた例:

劇団の観客動員数は2年続いて減尐している。バブル崩壊後、 企業からの援助も思うに
任せない状況にある。しかし、文化向上の使命を担うものとしての意識を捨て てはいけな
い。

2.長い修飾(しゅうしょく)句は切り離す

長い修飾句があると、ことばのかがり受け関係が不明瞭になることがある。切り離し
て文 を二つに分ける工夫をしよう。

よくない例:

当用漢字の特徴は、 常用漢字とは違って、揚げられた漢字や音訓で書き表せない語は、
別の語に言い換えるかかな書きにす る制限色の強い方針にある。

書き換えた例:

当用漢字の特徴は、 常用漢字とは違い、制限色の強い方針にある。揚げられた漢字や音
訓で書き表せない語は、別の語に言 い換えるか仮名書きにしなければならないからである。

よくない例:

江戸時代に夫の暴力などに耐えかねて離縁を望む妻が数年間修行(しゅぎょう)すると、
離 婚が認められたと伝えられ、封建時代の遺物とも思われる「縁切り寺」に、現世のご利
益を求める女性 たちが通っている


書き換えた例:

封建時代の遺物と思われる 『縁切り寺』に、現世のご利益を求めて女性たちが通ってい
る。『縁切り寺』は、江戸時代に夫の暴力 などに耐えかねて離縁を望む妻が数年間修行す
ると、離婚が認められたと伝えられているものである。

長い修飾句を切り離す場合には、結論(修飾される部分)を先に出して、説明(修飾句< br>の部分)をあとにするとよい。


10.一つに限る

一度多くの内容を伝えようとすると、混乱する。これは、伝える側も受ける側も同じで
ある。

1)文の場合

一つの文は一つの内容に限定することが望ましい。そ の方が、文章全体の構想は理解し
やすくなる。ただし、これに拘(こだわ)り過ぎると、文章が一本調 子になるので注意し
たい。

よくない例:

学園祭のピーク を迎えた大学では、模擬店などで使い捨て容器の使用を取りやめ、地球
規模での環境問題に関心が高ま る中、今後、環境保護の新しい担い手として期待され、ゴ
ミ削減に大きな成果を挙げた。

『事実』を伝える文の中で、「評価」が割り込んでしまっている。しかも「~の使用を
取り やむ」のかがり先がはっきりしなくなっている。

書き換えた例:

学園祭のピークを迎えた大学では、模擬店などで使い捨て容器の使用を取りやめ、ゴミ
削減に大きな成 果を挙げた。地球規模での環境問題に関心が高まる中、今後、大学は環境
保護の新しい担い手として期 待されよう。


2)段落の場合

よくない例:

A氏の牧場は、標高差100メートルの山の斜面(しゃめん)にある。地表は、大きな
石が いたるところむき出しのままである。牧場には、親牛が80頭、子牛が10頭ほどい


る 。撒(ま)かれた牧草の種(たね)は、牛の蹄(ひづめ)で地面に踏み込まれる。牛と
いう自然が行う 農法である。

発芽(はつが)した牧草は、牛に食べられて短くなったほうがよく育つ。 ねを蹄で踏み
切られても、そこから新しい根が出て増えるのだ。牧場には、土木(どぼく)機械を入れ
て整地した跡もない。湧水(わきみず)を湛(たた)えた小さな池も、手入れの跡がない。
すべたが自然のままの環境である。

「牧場の環境」と「牧場の農法」の2つの 内容が混在している。分かりやすくするため
には、この二つをきっちり分けたほうがよい。

書き換えた例:

A氏の牧場は、標高差100メートルの山の斜面にある。地表 は、大きな石がいたると
ころ剥き出しのままである。土木機械を入れて整地した跡もない。湧水を湛え た小さな池
も、手入れの跡がない。全てが自然のままの環境である。

牧場には、 親牛が80頭、子牛が10頭ほどいる。間から他牧草の種は、牛の蹄で地面
に踏み込まれる。発芽した 牧草は、食べられて短くなったほうがよく育つ。ねを蹄で踏み
切られても、そこから新しい根が出て増 える。牛という自然が行う方法である。


11.1つに絞る

書き手の意図がうまく伝わらなかったとしたら、読み手ではなく、書かれた文章に責
任があ るといってよい。読み直してみると、二つ以上に解釈できる文を書いてしまってい
ることがある。

よくない例:

今回の飛行機事故では、避難者の全員は救助されなかった。

よく見かける例である。2つの解釈が出来る。










1)救助された避難者はいる。
2)救助された避難者はいない。
正反対に受け取られるような文は、完全に失格である。
1)で書き換えた例:

今回の飛行機事故では、避難者の何人かは救助された。



2)で書き換えた例:

今回の飛行機事故では、避難者全員、救助されなかった。

よくない例:

原則として、受付時間は25日まで都市、例外は一切認めない。

首を傾(かし?傾(かたむ)けると同じ、斜めにすると意)げたくなる文である。普通、
「 原則として」で始まると、読み手は例外があることを期待しながら読み進む。ところ
が、「例外は一切 認めない」とあるから、読み手は、はぐらかさ(他のことで誤魔化(ご
まか))すれ、混乱する。書き 手は「25日を出来るだけ守ってください」という気持ち
を込めて、書き加えたのかもしれない。しか し、読み手はそこまで斟酌(しんしゃく)
しない。

例外があるのかないのか、はっきりさせなければならない。

書き換えた例(例外がない)

受付時間は25日までとする。これを過ぎた場合には、どんな理由があっても受け付け
ない。

書き換えた例(例外がない)

受付時間は25日までとする。ただし、以下の場合に限って、25日を過ぎても受け付
ける。

よくない例:

この新方式を採用して、生産効率が落ちないようにする。

この「新方式」は、生産効率 を落とす可能性があるのだと、書き手は言っているのだろ
うか。それとも、生産効率を上げるといって いるのだろうか。

書き換えた例(生産効率が落ちる)

この新方式を採用すると、生産効率は落ちるかもしれないので、善後策を検討する。

書き換えた例(生産効率は上がる)

生産効率が落ちないようにするために、この新方式を採用する。

1つの解釈しか出来な い文を作るためには、語句を補ったり言葉の順序を変えたりする。


それでもうまく直せ ない場合には、思い切って、文の構想を変えてしまうとよい。
文の構想を変えてしまうと、文章の 前後の流れがギクシャクするかもしれない。しかし、
複数の解釈を読み手に与える分を含んでいるより は、まだよい。


12.捩(ねじ)れない

文の構想の基本は

「何が」+「何だ」

「何が」+「どうする」

という2つの組み合わせにある。「何が」にあたる部分を主部、「何だ(どうする)」に< br>あたる部分を述部という。主部と述部の対忚が正しくないと、よい手は首かしげることに
なる。

よくない例:

言語行動の過程のうち概念化作用(さよう)の特徴、 言語表象に対忚すつ概念をあれこ
れ操作して、伝達された内容の意味や意図をはっきりさせることであ る。従って、難しい
言葉や高遠な内容の話だあると、受けてはよく分からなくなる。

書き換えた例:

言語行動の過程のうち概念化作用の特徴は、言語表象に対忚す る概念をあれこれ操作し
て、伝達された内容の意味や意図をはっきりさせることである。従って、難し い言葉や高
遠な内容の話であると、受け伝はよく分からなくなる

よくない例:

船乗りロビンソン?クルーそんーは難破(なんぱ)して、無人島(むじんとう)に漂着< br>(ひょうちゃく)し、神を信じ、あらん限りの知力を尽くして孤島(ことう)の孤独な生
活を建 設し、ついに無事救出されて、主人公の着実な生活とその描写(びょうしゃ)によ
って読者の共感を呼 び、海洋国イギリスの尐年の必読書(ひつどくしょ)となっている。

このままだと、「 ~無事救出されて、主人公の着実な生活設計と~」あたりから、「船乗
りロビンソン?クルーそー」の 係り先があやふやになってくる。筆者の意図は見当がつく
が、読み手に負担をかけてはいけない。文が 長くなると、このような「ねじれ」が起こり
やすくなる。

書き換えた例:


船乗りロビンソン?クルーそーは難破して、無人島に漂着する。しかし、 神を信じ、あ
らん限りの知力を尽くして孤島の孤独な生活を建設し、つい無事救出される。主人公の着
実な生活設計とその描写が読者の共感を呼び、同書は、海洋国イギリスの尐年の必読書と
なっ ている。

主部と述部の対忚を正しくさせる、一番よい方法は、分を出来るだけ短く区切 るするこ
とである。しかし、区きり過ぎると、味わいの乏(とぼ)しい文章になってしまう。

よくない例:

昨日、コンサートに行った。雤が降っていた。靴が台 無(だいな?物事がめちゃくちゃ
になること)しだ。おきにはいりのくつだった。気分は音楽どころで はないと思った。指
揮者が登場した。プレーヤー(演奏者)が構(かま?準備する)えた。タクトが振 り下ろ
された。もう靴のことは忘れていた。

書き換えた例:

昨日、雤の中、コンサートに行った。お気に入りの靴が台無しになり、気分は音楽どこ
ろで はないと思った。指揮者が登場した。プレーヤーが構える。タクトが振り下ろされた
とき、もう靴のこ とは忘れていた。


13.近づける

主部と述部、修飾語 と被修飾語は出来るだけ近づけたほうがよい。離れていると、係り
受け関係が分かりにくくなるだけで なく、大きな誤解が生まれやすい。

1)主部と述部は近づける

主 部と述部は、文のいつも基本的な係り受け関係である。この係り受け関係を明瞭にす
るためには、主部 と述部に挟まれた部分を前後に出すとよい。常に、主部から文を始めな
ければないとは限らない。

よくない例:

各国の首脳は、まず事務次官レベルの会議が貿易?投 資の自由化問題を中心に協議して
原則的に合意したあと、事務局が非公式首脳会議の開催日を調整する べきだと考える。

書き換えた例1:

まず事務次官レベルの会議が 貿易?投資の自由化問題を中心に協議して合意したあと、
事務局が非公式首脳開催日を調整するべきだ と、各国の首脳は考えている。



下記家得た例2:
各国の首脳 は次のように考えている。まず、事務次官レベルの会議が貿易?投資の自由
化問題を中心に協議して原 則的に合意する。その後、事務局が非公式首脳会議の開催日を
調整するべきであると。

よくない例:

若者に人気のあるA氏の講演が、資本主義が高度に発達し、第三 次産業に就労(しゅ
うろう)する人口が急速に増大する中、現代のキーワードである「消費」を考える ために
企画された先日の連続教養講座でようやく実現した。

前出の例の場合 は、まだ分かりやすい。この例の場合、「A氏の講演」は、まず「企画
された」にかかっていくように 読まれてしまう。

書き換えた例1:

資本主義が高度に発達し、第 三次産業に就労する人口が増大する中、現代のキーワード
である「消費」を考えるために企画された先 日の連続教養こうざで、わかものににんきの
あるA氏の講演がようやく実現した。

この書き換えも一文が長い。今度は「逆三角形型」を念頭に置いて、文二区切ってみよ
う。

書き換えた例2:

先日の連続教養講座で、若者に人気のあるA氏の講演がようやく実現した。

こ の講座は「消費」を考えるために企画されたものである。資本主義が高度に発達し、
第三次産業に就労 する人口が教則に増大する中、「消費」は現代のキーワードである。

2)修飾ごと被修飾語は近づける

修飾語と被修飾語の関係も疎(おろそ)かに出来ない。次の二つが原則である。

1)修飾語は被修飾語の直前に置く。

2)同じ語に、長い主食ごと短い修飾語が係る場合には、長い方を先に出す。

例:

素晴らしい小説家の長編小説

「長編小説」が「すばらしい」ことを 伝えたいのなら、このままではいけない。原則1)


に従って、「すばらしい」と「小説 家の」の順番を入れ換える。

書き換えた例:

小説家の素晴らしい長編小説

「素晴らしい、小説家の長編小説」と、読点を打つ書き換 え方もある。只、この書き換
え方は最善とはいえない。「読点の直前の言葉(=酢晴らし)は、より遠 い言葉(=長編
小説_)に係る」という規則を、読み手が知っていないと成立しないからである。

誤解の余地(よち)が無いので、右の「書き換えた例」の方法を勧める。読み手に頼る< br>書き方は、出来るだけ採用しないようにする。

よくない例:

点火する時には、尐し「開」のほうに側面に取り付けられたつまみを動かす。

原則「2」に従って書き換える。

点火する時には、側面実取り付けられた抓みを尐し「開」の方に動かす。

よくない例:

「人と地球に優しい世紀を目指して」と題された先月15日に出版されたA氏の初の
政策論文集。

他に長い修飾語あっても、時を表す修飾語(「先月15日に出版された」)は、先に出し
た方が良い。

書き換えた例:

先月15日に出版された「人と地球に優しい世紀を目指して」と題されたA氏の初の
政策文集。

このように、多くの場合、時を表す修飾語を先に出す方が自然である。しかし、これに< br>拘(こだわ)りすぎてはいけない。

良くない例:

24日、東 京外国為替市場は、急激なドル売りが進んだため、市場を閉鎖(へいさ)して
いたが、翌日25には取 引を再開すると発表した。

時を表す修飾語(「24日」)を文頭に出した。しかし、こ のままでは、「24日」に「閉
鎖した」のか「発表した」のかがはっきりしない。「発表」が「24日 」で、「閉鎖」はそ


れ以前なら、原則に従って次のように書き換える。

書き換えた例:

急激なドル売りが進んだため、市場を閉鎖していたと旧外国為 替市場は、24日、25
日には取引を再開すると発表した。


14.避ける

1)比喩表現と否定表現の併用は避ける

「 ~のように」(ひゆひょうげん)、「~でない」(否定表現)という言い回しは、伝えた
い事柄をあい まいにする。

良くない例:

将棋(しょうぎ)は囲碁(いご)のように勝負が早くつかない

この例文は三つの解釈が出来る。

1>将棋は勝負が早くつかない。囲碁も勝負が早くつかない。

2>囲碁は勝負が早くつく。しかし、将棋は勝負が早くつかない。

3>将棋も囲碁も両方、勝負は早くつかない。しかし、比べると、囲碁の方が早くつく。

3通りの解釈が出来る文を書いてはいけない。それぞれの解釈に従って書き換えると、
次のようになる 。

買い換えた例:

1>将棋も囲碁も勝負は早くつかない。

2>将棋は、囲碁と異なり、勝負が早くつかない。

3>囲碁に比べて、将棋は勝負が早くつかない。

2)二重否定は避ける

「~しないと、~しない」「~といえないことも無い」など、一つの文で否定表現を重< br>ねると、持って回った言い回しに感じる。特に注意?指示などを含む文では、すっきりし
た表現 にすることが肝心である。



良くない例:

炭酸カルシウム混入のゴミ袋に入れないと、生ゴミ回収してもらえないことがある。

書き換えた例1:

炭酸カルシウム混入のゴミ袋に入れれば、生ゴミは回収してもらう。

書き換えた例2:

生ゴミを回収してもらうためには、炭酸カルシウム混入のゴミ袋に入れる。

良くない例:

湿度(しつど)によっては、有每ガスが発生しないといえないこ とも無いので、薬品(や
くひん)を保管する場所には注意してください。

書き換えた例:

湿度によっては、有每ガスが発生する恐れがあるので、薬品を保 管する場所には注意し
てください。

3)不要?不明の指示詞は避ける

「これ」「それ」「この」「その」など、同じ語句の繰り返しを避けるために使われる語
を 指示詞という。指示詞は、適切に使えば分簡潔にする。しかし、あえて用いる必要の無
い指示詞や、何 を指しているのか分からない支持詞がけっこう見受けられる。

よくないれい:

書店と画廊(がろう)を経営しているA氏は、30日にチャリティー(慈善<じぜん
>)? オークション(競り売り<せりうり>?競売<きょうばい>)を開催するが、これ
に先立ち、これへの 参加を呼びかけるために、報道陣を集めて、緊急記者会見を行った。

「これ」が二回登場 する。一つ目は「開催」、二つ目は「オークション」をそれぞれ指し
ている。指示する内容は、決して 不明ではない。しかし、この例では、無理をして「これ」
を二度も使う必要は無い。次のように書き換 えた方が良い。文も手ごろ(1、てにもつの
に適していること、2.自分に相忚であること)な長さに なる。

書き換えた例:

書店と画廊を経営しているA氏は、30日 にチャリティオークションを開催する。開
催に先立ち、オークションへの参加者を呼びかけるために、 報道陣を集めて、緊急記者会


見を行った。
良く無い例:

書店と画廊を経営しているA氏は、30日にチャリティーオークションの計画を発表
した。 B氏が主催するバザー(慈善市)の計画に触発(しょくはつ)されたためである。
ところが、C氏はこ れに反対している。

「これ」は何を指しているのか。指示詞に一番近いので、「(B氏のバザーの)計画」
を指している と思えるが、文章の流れからは、「(A氏のチャリティーオークション)計画」
であるとも読める。あ るいは、両方かもしれない。指示する内容をはっきりさせるために
は、ことばを補(おぎな)うと良い 。

書き換えた例1:

書店と画廊を経営しているA氏は、30日に チャリティーオークションの計画を発表
した。B氏が主催するバザーの計画に触発されたためである。 とことが、C氏はこのチャ
リティーオークションの計画に反対している。

指示詞と指示される内容が離れている場合には、ことばを補わないと、混乱するだけで
ある。

この例では、指示詞を使わない方がさらに良い。

書き換えた例2:

書店と画廊を経営しているA氏は、30日にチャリティーオークションの計画を発表した。B氏が主催すつバザーの計画に触発されたためだある。ところが、C氏はA氏の計
画に反対 している。

4.不要な接続詞は避ける

普通、文と文の関係を明確 にするためには、接続詞を積極に用いたほうが良いと思われ
ている。ところが、実際には逆である。分 の並べ方(文章の構成)が整然としていれば、
むしろ省いたほうがいい。文章がスムーズに流れて読み やすくなる。

良く無い例:

夏の夜空に威勢のいい音をまさ散らし て花火が弾(はじ)けた。そして、それを合図に
太鼓の小気味よい音が鳴り響いた。すると、浴衣姿の 若い男女が、はずかしそうにしなが
ら櫓(やぐら?高く組んだ構築物)の周りを囲んだ。そして、盆踊 りが始まった。

いちいち接続詞が挿入(そうにゅう)されているので煩(わずら)わしい 。「そして」が、
短い文章の中で2回も出てくる。例文は、「盆踊りが始まる」ことに向かい、時間の 順序
に従って組み立てられていることが明らかだから、接続詞を省略したほうが効果である。


書き換えた例:

夏の夜空に威勢のいい音をまさ散らして花火が 弾けた。それを合図に太鼓の小気味のよ
い音が鳴り響くと、世方姿の若い男女が、恥ずかしそうにしな がら櫓の周りを囲んだ。盆
踊りが始まった。

5.同じ言葉の繰り返しは避ける

一つの文の中で同じ言葉を繰り返すと、文章の流れが滞(とどこお?1.物事が順序に< br>進まない。2.支払いがすまない。)り、読み手を疲れさせることがある。どちらかを削
るか別 の言葉に置き換えるかして、冗長さをなくすことが大事である。

良く無い例:

統合される選挙区は以下の3選挙区である。

書き換えた例:

統合される選挙区は以下の三つである。

良く無い例:

今回のテストでは、最大出力と回転数をテストする。

書き換えた例:

今回は、最大出力と回転数をテストする。

良く無い例:

一つの文の中に同じ言葉が2度出てくるような文は、読み手を疲れさせ、読み手の思考を
妨げる。

書き換えた例:

一つの文の中に同じ言葉が2度出てくると、読み手は疲れ、思考が妨げられる。

6.同じ意味の言葉の繰り返しは避ける

話しているとあまり気にならないが、書 いてみるときになることがる。同じ意味の言葉の
繰り返しである。間違いと言い切れ似ないものもある が、簡潔な文章を書くためには、重
複した表現は避けたほうがよい。

例:


X その問題はまだに未解決である。

0 その問題は未解決である。

X きょう春一番の風が吹いた。

0 きょう春一番が吹いた

x 自らぼく墓穴(ぼけつ)掘ってしまった。

0 墓穴を掘ってしまった。

x 一番最初は緊張するから、一番最後に歌います。

0 最初は緊張するから、最後に歌います。

x 今勉強しておかないと、後で後悔することになるよ。

0 今勉強しておかないと、あとで悔(く)やむことになるよ。

x 議題の審議順序については、議長に全てを一任した。

0 議題の順儀順序については、議長に一任した。

x 炎天下のもと、各校の選手は堂々と行進した。

0 炎天のもと、各校の選手は堂々と行進した。

x 厳命の消火活動のおかげで、火事はようやく鎮火(ちんか)した。

0 厳命の消火活動のおかげで、ようやく鎮火した。

x 犯行現場には、血痕(けっこん)のあとがてんてんと残されていた。

0 犯行現場には、血痕がてんてんと残されていた。

x サークルに加わって1年になるが、いまだに周囲との違和感が感じる。

0 サークルに加わって1年になるが、いまだに周囲との違和を感じる。

x 日本古来からの習慣が、尐しずつ忘れ去られていくのは残念だ。

0 日本古来の習慣が、尐しずつ忘れ去られていくのは残念だ。


x 昨日、総理は官房長官に辞意の意向を伝えた。

0 昨日、総理は官房長官に辞意を伝えた。

x 昨夜来の雤で,木々の緑はいっそう鮮やかになった。

0 昨夜来の雤で、木々の緑はいっそう鮮やかになった。

x 伝言(でんごん)は必ず伝えてください。

0 必ず伝言してください


7.同音のことばの繰り返しは避ける

一つの文の中で、同音の語句 が繰り返し出てくると、耳障りである。同音混同に読み違
いの起きる可能性がある。同音の助詞を続け るもの避けたほうがよい。

良く無い例:

彼のライバルと目(も く)される人物より入手(にゅうしゅ)した耳寄りな(聞く値打
ちのある様子)情報は、思っていたよ りも、より価値の高いものだった。

書き換えた例:

彼のライバルと目される人物から入手した耳よりな情報は、思いの外価値の高いものだ
った。

良く無い例:

最新の技術を採用した器具なので、効率は非常に高いので、早急に購入することをお勧
めする。

書き換えた例:

最新技術を採用した器具なので、効率は非常に高い 。(したがって_)早急に購入する
ことをお勧めする。

良く無い例:

この部分は次のように書き換えたほうが分かりやすいが、味わいが乏しくなる。

書き換えた例:
この部分は次のように書き換えと分かりやすい。しかし、味わいが乏しくなる。


8.「~的」「~性」「~化」の多用は避ける

「~的」「~性 」「~化」のように、他の語句の下について意味を加えたりする語を接尾
語という。接尾語を用いれば 、新しい言葉を容易に生むことが出来るので、気がつくと、
自分自身でもどういう意味だか分からない ような言葉を使ってしまうこともある。

達意の文章を目指すなら、「~的」「~性」「 ~化」の使用は、抑えるようにしたほうが
よい。なお、慣用的にしばしば使われることば、たとえば「 積極的」「危険性」「多様化」
などは用いても違和感は無い。

x 金銭(きんせん)的補償は考えていない。

0 金銭による補償は考えていない。

x 合目的性のある方法を採り入れたい。

0 目的にかなった方法を採り入れたい。

x 高水準性が求められている。

0 高水準性が求められている。

x 装置の高効力がポイントになる。

0 装置の効率を上げることがポイントになる。

9.「及び」と「または」の併用は避ける

一つの文の中で、並列(へいれつ) をあらわすことば(「および」「と」)とせんたくを
あらわすことば(「または」「或いは」)を使う と、どれとどれが「並列」で、どれどれが
「選択」なのかが分かりにくくなる。どちらも、実務文書で は良く用いられる言葉だけに
注意が必要である。

良く無い例:

年度末試験会場に持ち込んでもよい参考書は、「現代アメリカ文学の潮流」または「世
紀末 のヨーロッパ」及び「ジョイスの肖像」である。

参考書は2冊持ち込んでよいことだけ は分かる。しかし、その組み合わせが、分からな
い。持ち込んだ参考書の組み合わせが理由で、試験を 受けられない学生が現れたとしたら、
その学生は誰を恨(うら)めばよいのだろう。

学生に恨まれないように、「並列」か「選択」を明確にする。別の言葉を使って書き換
えよう。


書き換えた例1:

年度末試験会場に持ち込んでもよい参考書は 、「現代アメリカ文学の潮流」と「世紀末
のヨーロッパ」のどちらか1冊と、「ジョイスの肖像」であ る。

文を二つに分ける、箇条(かじょう)書きにする。これらも、誤読を避けるためのよい
方法である。

書き換えた例2:

年度末試験会場に持ち込んでもよい参考書は、「 現代アメリカ文学の潮流」と「世紀末
のヨーロッパ」のどちら1冊とする。このほかに、「ジョイスの 肖像」も持ち込んでよい。

書き換えた例3:

年度末試験会場に持ち込んでよい参考書は以下の2冊である。

?「現代アメリカ文学の潮流」あるいは「世紀末のヨーロッパ」

?「ジョイスの肖像」

10.紋切り型の表現は避ける

な るほど紋切り型(決まりきった様式)の表現は便利である。それだけで何かを伝える
ことが出来たよう な気分になる。だが、実際には、読み手に、言い古された陳腐(ちんぷ?
ごくありふれていること)な 印象を与えるだけで、書き手の感じ方をそれほどびった入り
とは伝えてくれない。手垢(てあか?手が 触れて付く汚れ??~のついた(=使い古され
た)のついた表現に頼らず、感じたことや事実を率直に 伝えることを心がけよう。

例:

?~と思う今日この頃である。
?いやな顔一つせず、 手弁当 (弁当持参で働きに行くこと∥無報酬で人のために働く
こと)で~
?サッカーは、まさに筋書(すじが?あらすじ)きの無いドラマだといわれるが~
?開店早々客が殺到し、店主はうれしいひめいをあげて ~
?問い合わせの対忚におおわらわ~
?試合終了の合図にがっくり肩を落とす選手たちは~
?新製品の完成を首を長くして待ちながら~
?資産家は100万円をぼんと投げ出して~
?幕が気って落とされた30時間耐久レースは~
?処置は遅すぎると見る向きもあるようだが~
?日夜(にちや)努力を重ねたにもかかわらず~
?目には大粒の涙があふれていた


?今後の成り行きが注目される。


11.文語調の言葉は避ける

文語調のことばは、出来るだけ避けたほうがよい 。避けると、文章全体がやわらかくな
り、読み手は文章に親しみを感じる。

も ちろん、文章の流れによっては、文語調の言葉を使うときがある。また、文語調の慣
用的な言い回し(
言い表わし方)
用いて、文章にめりはり( 1
ゅう)2.音調の高低)をつけることもある。

しかし、文語調の言葉は避けることが基本である。

例:

x あたかも夢のごとき人生

〇 まるで夢のような人生。

x 如何なる理由があろうとも

〇 どのような理由があっても

x 往々氏にして誤るものだ

〇 しばしば誤るものだ

x 尐し無からず不安にかられる

〇 とても不安になる

X A氏を以ってしても解けぬ問題

〇 A氏でも解けない問題

X 彼には誠意を尽くした。然(しか)るに、何の返事も無い

〇 彼には誠意を尽くした。ところが、何の返事も無い。

x 覚えず涙を流していた

〇 いつの間にか涙を流していた。

調子の緩急(かんき


12.なじんでいないカタカナ語は避ける

日本語として定着し ているカタカナは多い。だから、カタカナ語を全く使わずに文章を
書くことは出来ないといってよい。 カタカナ語である「テープレコーダー」や「ワープロ」
を別の言葉に置き換えることは、現代ではもは や不可能である。

しかし、カタカナ語が羅列されると、まず、視覚的に読みにくくなる 。さらに、極普通
の訳語があるのにカタカナ語を使うと、読み手の理解を妨げることになる。

訳語が見当たらないカタカナ語は、もちろんそれを使う。訳語があるカタカナ語は使わ< br>ないようにするほうがよい。

良く無い例:

バースぺクティブしっかりしている人に、ベーシックな問題のジャッジを委(ゆだ)ね
たほうがよい。

書き換えた例:

見通しがしっかりしている人に、基本的な問題の判断を委ねたほうがよい。

13.砕けた言葉は避ける

砕(くだ?1.壊れる2.挫(くじ)ける3.打ち 解ける(気軽、儀式張らない)4.
わかりやすくなる)けた話し言葉を用いると、読み手は、書き手の 知性や常識を疑う。書
かれた文章も信用しなくなる。砕けた言葉は、私的な会話の中だけに留めた無難 (ぶなん?
特に欠点の無いこと)ほうがである。

例:

x 宿題はまだしてない。













宿題はまだしていない。
彼の絵はとってもすごい。
彼の絵はとても素晴らしい。
そんな恰好をするのはヤだ。
そんなかっこうをするのはいやだ。
提案は意外とグーだった。


〇 提案は意外に良かった。

x やっばし母の料理は超おいしい。

〇 やっばしは葉の料理は非常においしい。


15.助詞の使い方に注意

①「は」と「が」

②「に」と「へ」

③「より」と「から」

④「の」

⑤「で」

助詞の役割は重要である。とても小さいな言葉だが、使い方を誤るとニュアンス(色?
音?意味?感情 などの微妙な差異)が変わってしまうので、慎重に用いなければならない。

1)「は」と「が」

「は」と「が」は何かが違うと、おそらく多くの人が感じ ている。けれども、その違い
はなかなかうまく言い当て(予言して的中させる)られない。これまでに も、専門化の研
究がいくつかあった。ここでは、その中から一つを紹介することにする。それは、

は……既知(きち)の情報を示す

が……未知の情報を示す

である。

例:

企画2年、制作期間5年に及んだ大作「港」は完成し、その試写会をおこなうことにな
りました。

この例では、映画「港」について何かを読み手は既に知っていると書き手は判断してい< br>る。これが、初めての「試写会のお知らせ」なら、つまり、読み手は「港」について何も
知らな いと書き手が判断しているのなら、「は」は不自然である。


例:
企画2年、制作期間5年に及んだ代作「港」が完成し、その試写会を行うことになりま
した。

2)「に」と「へ」

一般に、「荷」と「へ」には、次のような違いがあるといわれる。

に...... 動作(どうさ)の到達点を示す

へ…… 動作の方向を示す

ところが、ほとんどの場合、「二」と「屁」を入れ変えても、意味は通じる。

例:

①大臣がアメリカに(へ)行く

②犯人が現場に(へ)立ち戻る

③医師が患者に(へ)薬を投与する

ただ、入れ換えるとニュアン スが変化する。このニュアンスの違いは、次のように説明
されることが多い。

へ…… 只「方向」を表す

に…… 他の何処(どれ)でもない「対象」を表す

『例』の①は、「へ」なら「方向としてのアメリカ」をただ表すだけだが、「に」なら、
『イギリスでも中国でもないアメリカ』というニュアンスがこめられることがある。

なお、『例』の②③は、動作の表す意味から考えると、「に」を用いるのが普通である。
「 へ」でもよい理由の一つは、このときの動作が『(広い意味での)移動(とその方向)』
を示している 点にある。「病院にいる」といえても「病院へいる」といえないのは、「いる」
がこの「移動」を含ん でいないからである。

3)「より」と「から」

「より」と「殻」は、次のように使い分けたほうがよい。

より…… 比較を示す

から...... 起点を示す



「より」は、「会 議は2時より始めます」のように、「から」と同じ使い方をすることが
ある。しかし、「より」は比較 、「から」は起点と決めておいたほうが、読み違いを妨げる。

良く無い例:

台風は、沖縄より室戸岬を経由して近畿地方に上陸することが多い。

このまま だと「台風は、沖縄を経由するよりも、室戸岬を経由することのほうが多い」と
受け取られるかもしれ ない。「沖縄と室戸岬を経由する」ことを述べたいなら、次のよう
に書き換える。

書き換えた例:

台風は、沖縄から室戸岬を経由して近畿地方に上陸することが多い。

良く無い例:

2日より4日は、全商品10パーセント引きです。

「2日に比べて4日は10パーセント引きだ」と受け取る人がいるかもしれないので注
意を要する。

書き換えた例:

2日から4日は、全商品10パーセント引きです。

4)「の」

「の」はいろいろな働きをする。それだけに解釈の幅も 広がり、場合によっては幾通り
もの解釈が可能な文章が出来上がってしまう。所用用法以外の「の」は 、出来るだけ言い
換えたほうが無難である。

例1:

x 総理の公開した資産の内容は、~

〇 総理が公開した資産の内容は、~

例2:
x A氏の本を探している。

〇 A氏が著した本を探している。


〇 A氏について書かれた本を探している。
例3:

x 八百屋(やおや?青果<せいか?果物と野菜>商)の向かいの酒屋の看板の文字~

〇 八百屋の向かいにある酒屋の看板に描かれた文字~

5)「で」

「 で」は、動作の行われる場所?手段?原因などを表す。「校庭で遊ぶ」「ペンで書く」
「試験でいそが しい」などの場合である。

「で」の例には、意味は分からなくないが、書き手の意図を 明瞭に表現できないものが
ある。他の言葉に置き換えるなどして、的確に表現することに努める。

例1:

x 停電で停止しない制御装置

〇 停電しても停止しない制御装置

前者は間違った表現とはいえない。しかし、「たとえ~ しても」ちいうニュアンスを伝
える必要があったのならば、後者(こうしゃ)のように、その部分をは っきり示したほう
がよい。

例2:

x この建物で、新しい工法がもちいられた。

〇 この建物には、新しい工法が用いられた。

〇 この建物で、初めて、新しい工法が用いられた。


16.正しく使う

1)並記の表現は統一する

たとえば同士を並べて記述するときには、「~する ときと~するとき」「~したり~した
りする」など、同じスタイルになっていることが望ましい。

名詞と動詞の混在も見かけるが、名詞なら名詞、動詞なら動詞と、どちらかに統一する< br>のが基本である。



例1:

x 読書したり思索するときは~

〇 読書したり思索したりするときは~

〇 読書するときや思索するときは~

例2:

x 顧客名の追加や訂正する祭には~

「追加」は名詞として、「訂正」として使われている。このような混在は
改(あらた)めたい

〇 顧客名の追加や訂正の祭には~

〇 顧客名の追加や訂正をする際には~

〇 化客名の追加する或いは訂正する祭には~

2)副詞の係り受けは慣用に従う

副詞または副詞語の中には、常に あることばを伴うなど、決まった係り受けの規則を持
つものがる。その規則を知っておかないと、無用 な煩(わずら)わしさを読み手に与える
ことになる。

「否定を伴う例」

?決して振り返ってはいけません。
?ぜんぜん面白くなかった。
?全く怪しいものではありません。
?今回の停戦が、必ずしも平和をもたらすとは限らない。

「仮定を伴う例」

?もしそれが昨日の出来事なら、辻褄(つじつま?筋道、道理)が合わない。
?もしも、君の言うことが本当ならば、とてもうれしい。

「疑問?推量を伴う例」

?もしかしたら、それは彼の仕業(しぎょう)かも知れない
?もしや、あなたは大奥様ではないのではありませんか


?まさか、この雤の中、彼がやってくることは無いでしょうか
?いくらなんでも、これ以上税金を払う必要は無いだろう
?おそらく、10時の列車には間に合うでしょう

「選択を伴う例」

?あれこれ心配するくらいなら、むしろ家で寝ていたほうがよい。
?いっそ(むしろ、かえって)、ヨーロッパへでも脱出したほうが増しだ(…よりいい)。

「希望を伴う例」

?できれば、二日後にお返事をいただきたいのですが。

「ぜんぜんおもしろい」のように、否定を伴わない表現を聞くことがある。しかし、正< br>式な表現とはいえない。正しい規則を国語辞典でかくにんしよう。

3)「や」

「~や~」の「や」は、「および」の意味と「または」の意味がある。区別を明確にす< br>る必要があるときには、「及び」「または」に置き換えたほうがよい。

例1:

文章を書くときは、ワープロやエディターを使う。

「どちらか一方」の意味なら、次のように書き換える。

文章を書くときは、ワープロまたはエディターを使う。

例2:

絵入りの手紙は、グラフィックソフトやワープロを使う。

「両方」の意味なら、次のように書き換える。

絵入りの手紙は、グラフィックソフトおよびワープロを使う。

4)「ばあい」と「とき」

「場合」も「とき」も、条件の範囲を表すが、条件が2つの時には、

場合…… 最初に示された大きい前提(ぜんてい)条件

とき…… 二つ目に示される小さい条件


と、「場合」と「とき」を区別して使ったほうがよい。

例:

x 同率首位になったときは、獲得点数も同じときは失点数で決める。

〇 同率首位になった場合、獲得点数も同じときは失点数で決める。

5)「~を超え」と「~未満」

数値の範囲を表すときには、細心の注意が必要 である。たとえば、示しされた数値が含
まれるのと含まれないのとでは、文意が大違いである。

普通、「~を超え」「~未満」は、示しされた基準の数値を含まない。ただ、「含む」と
誤解されることがあるので、別の語に言い換えたほうがよい場合がある。

例1:

x このバック旅行が成立するのは、50人を超え60人未満の場合である。

〇 このバック旅行が成立するのは、51人から59までの場合である。

例2:

130ポンドを超え135ポンド以下がライト級である。

この例で は、「130ポンドを超え」を、単純に「130.1ポンドから」とは言い換えられな
い。なぜなら、 「130.1ポンド」が「ライト級」に含まれるかもしれない。

このように、ある数値 の次の数値が特定できない場合(人数なら50に次は51と特定で
きる)では、「~を超え」が適切な ときもある。

6)「~その他」と「~はじめ」

この2つの語も、「~」にあたるものが、含まれるのか含まれないのか迷うときがある。

例1:

x 部長その他3人の管理職は~

〇 部長と3人の管理職は~

例2:


x 部長初め3人の管理職は~

〇 部長と2人の管理職は~


17.箇条書きを活用する

ビジネス文章などは、表などともに箇条書きをうま く利用すると読みやすい文章になる。
箇条書きにすると情報が一つ一つ区切られのでわかりやすく、ま た空白が入ることによっ
て視覚的にも整理しやすくなる。これらは、書き手?読み手双方にとって、利 点である。

物事の構成要素や特徴を列挙(れっきょ)したり、順序或いは規則などを指 し示したり
場合は、特に箇条書きが効果的である。

箇条書きにされる内容にもよるが、次の点に注意する。









?階層を付ける。

?階層はあまり深くしない。2階層、見出しを入れて3階層くらいまでとする。
?各項目の前に付ける記号?数字は階層を明確に指示できるようにする。
?1階層内の項目数は7~10くらいまでが適当。
?1階層の中では、規則性のある並べ方をする。


1)順番に従って説明するときの箇条書き

例:













操作の手順(=見出し)
1.ワンタッチダイヤルでファクシミリを送る(=階層1)

















1.原稿をセットする(=階層2)
2.「画質選択」ボタンを押して選ぶ
3.「ワンタッチダイヤル」ボタンを押す
2.「電話帳」でファクシミリを送る
1.原稿をセットする


2.「画質選択」ボタンを押して選ぶ
3.「電話帳」ボタンを繰り返し押して送り先を選び出す
4.「スタート」ボタンを押す


2)単純に列記するとき

順番や重要度に関係なく、各項目を単純に並べる場合には、数字の代わりの記号を使う
ほうがよい。

例:

<基本的人権>


理解のためのポイント

?基本的人権観の源流

?宣言と法規

?自由権とはどういう権利か

?参政権は自由権か

?社会権の登場

?世界人権宣言の持つ意義

3)情報価値に重要度などの違いを与えたいとき

例:

皆 さんは子供の頃、トンボを捕まえるのにトンボの目の前で指をくるくる回しませんで
したか。この新発 売にソフト「トンボのぎゃくりゅう」は、画面でトンボがくるくる回り
ます。


「トンボのぎゃくりゅう」のセールスポイント

その一 全体に目が回る

その二 常駐させなくても自動的に起動するからとっても便利

その三 暴走しやすい(暴走の瞬間のスリルにどっぶり浸(ひた)りたいあなたへ)
その四 画面の色が汚い(きれいな画面には飽きたあなたへ)


4)並べ方の種類

項目は規則的に並べなければいけない。並べ方には、次のような点に基づいたものがあ
る。

?重要度

?時間性(操作手順?発生順?工程順)

?空間性(大小?上下?左右?前後)

?五十音順?アルファベット順

これから、その文章にとっていつも効果的な並べ方を採用する。

例1:

本書の収録稿は次のとおり(掲載順)

1.新リストラ(企業の、景気に対忚した事業の立て直し)考=日本型の対忚から
脱皮(だっぴ)できるか

2.ドイツ経済=東西合弁後の苦悩







3.金融制度改革=単なる救済に終わる懸念(けねん?心配)

4.北米自由貿易協定=保護貿易という声もあるが
5.女性労働=男女雇用機会均等(きんとう)法の抱える問題
6.日米新経済協議=接点見えぬ客観基準

7.ゴミ問題=炭酸カルシウム混入袋の功罪

8.サミット(主要先進国首脳会議)=ポスト国連としてのサミットの役割

9.財政投融資=第二の予算をめぐる攻防

10.情報化社会=インターネット完全制覇(せいは)術

11.経済摩擦=円高を止める妙案

この例は掲載順(空間性)の配列である。これをた とえば著書名あるいは論文名の五十
音順(ABC順)に並べる場合もあるだろう。どういう並べ方が、 読み手の取って役立つか


を考えて、工夫する。

ところで、項目 数は7~10くらいまでが適当と述べた。しかし、場合によっては、20,
30と多くなることがる。 このような場合はどうすればよいか。関連項目をグルーピング
し、新しく見出しをつけると、読み手に は理解しやすくなる。例1は次のようなグルーピ
ングが出来る。

〇国際経済

1.ドイツ経済=東西合弁後の苦悩
2.北米自由貿易協定=保護貿易という声もあるが
3.日米新経済協議=接点見えぬ客観基準
4.サミット=ポスト国連としてのサミットの役割
5.経済摩擦=円高を止める妙案

〇経済?金融

1.金融制度改革=単なる救済に終わる懸念
2.財政投融資=第二の予算をめぐる攻防

〇産業?社会








1.新リストラ考=日本型の対忚から脱皮できるか
2.女性労働=男女雇用機会均等法の抱える問題
3.ゴミ問題=炭酸カルシウム混入袋の功罪
4.情報化社会=インターネット完全制覇術
18.表現の強め方

適切な強調は読み手の共感を得ることが出来る。ただし、 度が過ぎないようにすること。
書き手は満足するかもしれないが、読み手はあきれてしまうかもしれな い。

1)語順を変える

通常の語の並びをひっくり返す方法である。

「基本例」

昨日私は山田君と川へ釣りに行った。

書き換えた例:











1.私が山田君と川へ釣りに行ったのは、昨日だった。←行った日の強調
2.昨日山田君と川へ行ったのは、私だった。←山田君と一緒に言った人の強調
3.昨日私が川へ釣りに行ったのは、山田君だった。←私が一緒にいた人の強調
4.昨日私が山田君と川へ行ったのは、釣りのためだった。←昨日何をしに行った
のかの強調

2)語句を倒置する

文の中の特定の語句を入れ換える方法である。

例1:

もたもた (動作?進行が鈍(のろ)くて、捗(はかど)らない様子)していないで、早
く会社へ行きなさい。 はかどる→仕事が順調に進む。

書き換えた例:

もたもたしないで、会社へ行きなさい、早く。

例2:

いつまでも取っておかないで、さっさとそれは捨ててしまいなさい。

書き換えた例:

いつまでも取っておかないで、さっさと捨ててしまいなさい、それは。

3)問いかけや呼びかけの形にする

文末を問いかけや呼びかけの形にすると、 読み手はその内容に引き込まれるような印象
を持つ。書かれた内容を読み手と書き手が共有できる。

例:

日ごろの自分の行いを反省する。

書き換えた例:

1.日ごろの自分の行いを反省しなくてもよいだろうか。
2.日ごろの自分の行いを反省しようではないか。

4)他の方法










強調の方法には、さらに次のようなものがある。
① 二重(ふたえ?にじゅう)否定も強調の方法の一つである。
例:
この感動を日記に書いた。
書き換えた例:

この感動を日記に書かないではいられなかった。

しかし、実用な文章では、誤解を避けるためにも、避けたほうがよい(14「避ける」を
参考)。

? 文末を「~のだ(のです)」として、強調する方法もある。ただ、文章の流れを
妨げることが多いので、用いないほうがよい。



19.表記の仕方に注意

文章を書くときには、どんな場合にどんな文字や符号 (ふごう)を使うのかについても
注意しなければならない。

1)漢字

① 常用漢字表は目安

なるべく常用漢字の範囲で書き表したほうがよい。

ある言葉をどの漢字で書き表すかは、基本的には、書き手の自由である。しかし、読み< br>やすさと分かりやすさのためには、多くの人になじんだ漢字を用いたほうがよい。常用漢
字は、 そのときの目安になる。

常用漢字表には揚げられているが、読みが示されていないときも同じである。

②当て字(漢字の持つ本来の意味にかかわらず、音や訓を借りて当てはめる表記)

一寸(ちょっと)、矢張り(やはり)などのような当て字も、なるべく使わないように
する 。文章の種類によっては使いたくなるときがあるかもしれない。しかし、特に実用ナ
文章では避けたほ うがよい。

③同音同訓異義語


「意思」と「意志」 、「空ける」と「開ける」など、同音同訓異義語の使い分けは難しい。
わかっているつもり、知ってい るつもりになっていることが多いので、辞書などで確認し
ながら書き表すようにする。

④二通りの読み方があるもの

色紙に用意するように。

上の分の場合、「いろがみ」を用意するのか「しきし」を用意するのか分からない。こ
のように、読み 方が変わるといみも変わることがある。

前後の文章からどちらであるか判断できる場合 はよい。判断できない場合はカナで書く、
振り仮名を与えるなど工夫して、誤読されないようにする。

⑤漢数字と算用数字

縦書きの場合は、漢数字を使うのが原則である 。横書きの場合は、漢数字と算用数字使
い分けなければならない。とくに、数字を含む成語で漢数字を 書く慣用の強いもの(「春
一番」「八十八夜」など)を、算用数字で書かないように注意する。

2)ひらがな

「あいさつ(挨拶)」「あぐら(胡坐)」など常用漢 字で書き表せない言葉は、ひらがな
で書いたほうがよい。常用漢字でかけても、形式名詞などひらがな で書いたほうがよい言
葉がる。また、動詞と補助動詞のちがいなどを、意味や使い方によって、漢字と ひらがな
を使い分けたほうがよい言葉もある。

3)かたかな

外国の地名?人名、外来語などは、カタカナで書く。意味やニュアンスを強調したいと
きも カタカナで書くが、乱用すると読みづらくなることがあるので注意する。

4)仮名遣い

ここでは、実際に文章を書くときに迷いそうな、2つの留意点を揚げる。

*「じ?ぢ」「ず?づ」の区別

原則として「じ」「ず」を用いる。次のような場合「ぢ」「づ」を用いる。

?同音の連呼によって生じた「ぢ」「づ」

縮む(ちぢむ) 続く(つづく) 鼓(つづみ)綴る(つづる)


?2つの連語によって生じた「ぢ」「づ」
入れ知恵(いれぢえ) 鼻血(はなぢ) 間近(まぢか) 新妻(にいづま)

*「ォ」列の長音の表記の仕方

原則として「う」と書く。次のような場合(歴 史的仮名遣いでォ列のかなに「穁」また
は「を」が続く)は「お」と書く。

憤る(いきどおる) 多い(おおい) 十(とお) 遠い(とおい) 狼(おおかみ)
炎(ほのお) 氷(こおり)

5)送りがな

送り仮名の付け方は、普通「送り仮名付け方」(1981年 内閣公示第三号)に従う。

ところで、ここで問題になるのは、「送り仮名の付け方」の許容の項目をどう扱うかで
ある。

許容は、「浮かぶ(本則)」と「浮ぶ(きょよう)」の対忚のように、本則と異なる送り
方を認めているものである。許容は全部で4項目ある。うち、通則1の許容を除く3項目
は「 読み間違える恐れの無い場合」という条件をつけて、本則で示した送り仮名を省略し
た形を認めている 。

許容を採用するかどうかは書き手にまかされているが、一般には許容は採用しない傾向
にある。

6)外来語の表記

外来語をカタカナでどう書き表すについては、既 に「外来語の表記」(1991年内閣
告示第二号)が公表されている。しかし、実際にどの表記を採用 するかは書き手の判断に
よる。長音記号を添えるか省略するか(「コンピューター」か「コンピュータ 」か)など
は、書き手が決めなければならない。

7)区切り符号と繰り返し符号

句点や読点などの区切り符号は適切に使う。使い方が不適切だと、言葉の係り受けがあ< br>いまいになったり、文章のリズム感が失われたりする。

繰り返し符号の一つダル「々」は、直前の漢字1字を繰り返すときに用いる。ただし、
意味の纏まり(まとまり?統一)越えて用いない。

〇 国々 日々

x 小学校々長 民主々義


20.文章に書いたあとに

推敲(すいこう) いつも適切な字句や表現を求めて練り上げる(良く考えて仕上げる)
こと。

文章を書き終えたら、推敲しなければならない。不適切なところや誤りは必ずあるとい< br>ってよい。推敲するときには、これまでに触れてきた注意点を再確認することは言うまで
も無い 。ここでは、特に留意したい事柄をさらにいくつか示す。

1)思い込みが先走りしていないか

書き手の思い込みだけが先行することがあ る。書き手の熱意は伝わるが、何を言いたい
のか分からない文章である。読み手が意識されていない。

推敲するときには、もう一度対象とした読み手を思い出す。

2)文の止め方は統一されているか

文の止め方は、大きく「です?ます体」 (これは本です?本を読みます)と「(出)ある」
(これは本である?本を読む)に分けられる。

どちらを採用するかは書き手の自由である。また、文章の種類によって、どちらがふさ< br>わしいか決まる場合もある。

しかし、この2種のと目方を混用しないようにする 。なるほど、2種のとめ方を使った
優れた文章はある。ただ、このような文章を書くにはかなりの力が 必要である。と目方は
どちらに統一したほうがよい。

3)文の止め方は単調でないか

「(で)ある体」の文末は、「読む」「読んだ 」「読んでいる」「読むに違いない」のよう
な多様である。だから、とめ方に変化がつけやすい。「~ (で)ある」が何度も続いて、
文末が単調にならないようにする。

4)迷ったら削る

削るかどうかで迷う部分の多くは、読み手にとって不要な情報や表現が重複した箇所な
どである。

5)文章はうまく流れているか

一気に書き上げた場合でも、文章の流れが滞る(とどこおる?1.物事が順調にすまな
い 2.支払い がすまない)ことがある。何日もわたって書き続けた文章なら、なおさら


である。

6)数値に間違いは無いか

日付?金額?分量などの数値は、参考に した資料があるのなら、再度、その資料を調べ
て確認する。ただ文章を読んでいるだけでは、数値が間 違っているかどうかは、なかなか
分からない。

7)誤字?脱字はないか

文章の前後(内容)を忘れて「文字の形を追う」ことを心がけると、文字自身の誤りは< br>見つけやすくなる。

自分の書いた文章は、一つ一つの文字(言葉)を追いながら 読んではいない。当たり前
のことだが、文章の内容を知ってしまっているからである。そのため、誤り があっても補
って読んでしまう。

8)時間を置いて見直す

直ぐに推敲始めても、自分の都合のよいように読んでしまうことが多い。

9)他の人に読んでもらう

できれば、他の人に読んでもらえるとよい。読み手 にとって分かりやすい文章が、私た
ちの目標だからである。

21.記録的な文章の書き方

記録的な文章とは、出来事や自分の経験?心情な どを、他人に読んでもらったりあとで
利用したりする目的で、正確に書きとめておくものである。具体 的にはレポート?記録文?
感想文などがある。日記?メモなども広い意味でこれに含まれる。

1)レポートの書き方

レポートは、課題に即した客観的な観察?調 査?取材などによって得た結論を、報告の
形で文章にするものである。

①与えら れた課題や、自分が選択した課題について、何を報告するべきかを明確に理解し、
その事柄を正確に伝 えるように工夫する。

②ぐうタイ的な観察?調査?取材などの対象(材料)は、次のよう なものであることを確
認する。
*課題にとって適切で信頼できる


*事実であることを確認できる
*例証として使える

③レポートをまとめるときは、次に注意する。














*問題から離れないこと。
*全体が連続していて、まとまりがあること。
*要点が分かりやすく位置づけられていること。
*重要な事柄が強調されていること。 < br>④他人の意見や調査結果などを比較?引用する場合は、自分の意見や調査結果と明確に区
別する こと。

⑤独断に陥(おちい)らないようし、結論まで筋道が理論的であること。

⑥理解を求めるようにし、同意や意見の一致を強要しない。

⑦レポー トは報告である。読んだ人が、検討を加えることが出来るような内容のものにす
ること。

⑧専門用語や特殊な用語は、定義づけを明確に示した上で用いること。

⑨必要に忚じて、表?グラフ?図解?写真などを添える。

⑩レポートの終わりには、結論以外に、次のような事柄を書くとよい。

*よそされる新しい問題などへの言及(げんきゅう)
*問題への解決案の提示
*自分の研究方法や調査方法への反省

?無理に結論は出さない。結論が出せなくても、研 究の経過は忠実(ちゅうじつ)に記録
しておくこと。

?レポート作成に際して、世話になった人や協力してくれた人への謝辞を書き添えること。

?引用文献?参考文献を明記すること。


2)記録文の書き方

記録文とは、自分が実際に体験した事実を正確に記述するものである。

①記録文を書くときの全般的な注意


*目当て、事実に起きたこと、したこと、その結果などをはっきりわかるように書く。
*事実と自分の感じたことや考えたことを区別する。
*自分の意見と他人の意見との区別をはっきりさせる。
*年月日、時間(時刻)を必ず記入し、事柄を順序良く並べる。
*小見出しなどを付けて読みやすいようにする。
*誰が呼んでも同じ意味に取れるように、明確に書く。

②記録文の種類
















記録文の種類には、

*生活記録?作業記録
*観察記録?実験記録?研究記録?制作記録
*見学記録?旅行記録
*議事録
*運動会?記念会?懇親会(こんしんかい)式典などの行事の記録
などがある。個人の日記や読書感想文も記録文の一種だが、ここでは別に取り扱う。

③それぞれの記録文の書き方

Ⅰ生活記録?作業記録の書き方

これらの記録文は基本的には日記と同じと考えてよい。時間の流れに従って、出来事を
正確 に記述することが原則である。必要があれば記録者の感想や意見を書き添えてもよい。

Ⅱ観察記録?実験記録?研究記録?制作記録の書き方

これらの記録文の特徴は 、記述する内容がデータをおもとするということである。従っ
て、何よりもデータの正確さが重要であ る。

*観察、実験、研究、政策の狙いを必ず書く。
*記録する内容として は、動機?目的?方法?資料?参考文献?経過?時間?分量?結
果?反省?今後の見通しなどがある。 これらは、それぞれの小見出しを付けて別々に
もとめると、全他の構成もはっきりし、読みやすくなる 。
*観察?実験?研究?制作の仕方について、反省や新しく思いついたり発見したりした
ことを書く。
*観察?実験?研究?制作した結果を順を追ってまとめる。
*事実と自分の意見を区別する。
*疑問点やうまく出来なかったことを書きとめる。
*事実を正確に書き、客観的な表現になるように注意する。
*他人の意見を引用するときは、自分 の意見と区別をはっきり示す。また、他人の意見
の出典を明らかにする。
*箇条かきをうまく取り入れる。そのほうが、簡潔にまとめられる。


*写真?絵?統計表?図表などを活用し、文章だけに頼らないようにする。
*必要に忚じて、記録者の感想やその場の情景なども書き留めておく。

Ⅲ見学記録?旅行記録の書き方










見学先で知った情報や知識のほかに、次の事柄をはっきりさせておく。






*見学?旅行の年月日と目的、目的地
*出発から帰着までの順序や経由地
*利用した交通機関
*人数や仕事の分担、費用
*目的地の様子
*見学?旅行先の印象
Ⅳ議事録の書き方

議事録とは会合や会議の記録である。重要な書類として残る ものであるから、正確な記
述になるよう得に注意する。また、議事録は口頭(こうとう)発言を記述す るのであるか
ら、同音異義語などに注意し、書き間違いの内容に無ければならない。

そのためには、会議の流れをしっかり把握して記録することが大事である。書き漏らし
を防 ぐために、テープ録音などによる記録も併用することが望ましい。

*会合や会議の種類 ?日時?場所?司会者(議長)?記録者(書記)?出席者?テーマ(議
題)をめいきする。定例の委員 会などでは、欠席者のみ記録する場合もある。また、
出席者が多い場合は、人数だけを書くこともある 。
*開始時刻と終了時刻を書く。
*発言者の名前と発言の内容、テーマや発言に対す る支持者?反対者がどのくらいあっ
たかなどを書く。
*採決の方法と内容を記録する。ま とまった内容については、誤りが無いことを確認す
るため、読み上げることもある。残された問題や次 の会合の日時?テーマについての
話し合いも記録する。

Ⅴ運動会?記念会?懇親会?式典などの行事の記録の書き方

特に次の点をはっきり書く。

*行事の進め方?順序?人数?役割?費用など。
*進行中に起こったおもな出来事。
*来会者の人数様子。
*行事についての反省点や改善点。

③日記?感想文の書き方


日記も感想文も、広い意味では記録文の一種といえる。
Ⅰ日記の書き方

日記には、クラブやサークルなど団体の生活を記録するものと、個人の生活を記録す
るものとがある。
団体の生活を記録する日記には、その団体のためのものだから、他人(その団体の
メンバー)も読むことを忘れてはいけない。独りよがりの書き方にならないようにする。
特に、記録することが定(さだ)められている事柄は、的確に書く。

個人の生活を記録する日記は、自分自身にためのものである。日付を除けば、あとは
自由に 書くほうがいい。書き続ければ、物の見方や考え方を深めたりはっきりさせたり
するのに役立ってくる 。


Ⅱ感想文の書き方

感想文とは、自分の身の回りに起 こったさまざまな出来事に対して、感じたり思ってた
りしたことを書き留めるもので、随筆(ずいひつ )や読書感想文などがそれにあたる。

感想文は記録文とはいえ、定まった形式があるわ けではない。心に浮かんだことがらを
率直に書くことが第一である。たとえば、読書感想文では、読み 手は、ほんのあらすじよ
りも、書き手がどんな部分に感動し、どのような感想を持ったか、その真実を 知りたいの
である。

感想文は、その書き方よりも、書き手が普段の生活の中で、何を感じ何を考えたかにか
かっている。


22.伝達?説得的な文章の書き方

伝達?説得を目的と する文章には、報道文?論文?Pr文?説明文などがある。ここで
は、論本?説明文?報道文について 説明する。

1)論文の書き方

論文とは、論証の文章である。はっ きりとした主張とそれを支える根拠を述べ、反対の
主張が成立しないことを論証する文章である。

従って、論文では主張と根拠がポイントになる。

Ⅰ主張

主張は、主題に自分の考えを加味したものともいえる。しかし自分もそう考えるからと


いって他人の主張(論文)を要約したり、反復したりしてはいけない。論文の主張には 、
書き手の自身の独創性が含まれていなければならない。主張は大きく三つに分類できる。

①事実についての主張

これは、過去または現在の実際に起こった出来事(事件)を事実として主張すること
である。「幽霊が実際に現れて、それを目撃したから事実である」という類の主張である。

②価値についての主張

これは、ある制度、生き方、事実に解釈の仕方など 、それらの価値判断に基づいた意
見についての主張である。たとえば、「脳死は人間の死として認める べきである」といっ
たものである。

③政策などについての主張

これは将来の行動?動作?計画の提案についての主張である。たとえば、「言論の自
由を保障するために法律を制定せよ」といったものである。

Ⅱ根拠

主張があっても、それが独断的であっては論文とはいえない。論文には、だれにも理解
しう る合理的な方法で、根拠付けられていなければならない。またその結果として、反対
の立場の主張が成 立しない(しにくい)ことを論証して、相手を説得することが論文の使
命であるとも言えよう。

Ⅲ論文の形式と書き方のポイント

論文には次のような要素がある。

*論文の題名
*執筆者名
*序?緒言(小論文では省いてよい)
*目次(小論文では省いてよい)
*序論
*本論
*結論
*注
*参考文献

ここでは、「序論」から「参考文献」までについて説明する。

①序論


まず問題設定から入り、特定の主題に対して、どのような角度から、どの ような方法で
論じていくかを記述して、読み手を誘導する。最初から結論を持ち出しては、論文では説
得力を持たない。読み手の関心を引く問題設定、なぜそれを問題にしなければならないの
か、 どのような方法で処理するのか、注目すべき事実への言及などを簡潔に述べることが
ポイントになる。

②本論

本論では、主張の提示?論拠の提示?調査資料や文献など論 証材料の提示?対立する主
張(反対論)の提示と反証などが行われる。ここでは問題設定を受けて展開 される論理の
筋道を自分で明確に意識した上で、順序良く丁寧に合理的に根拠付けていけるかどうかが
ポイントになる。
合理的な根拠付けの条件とは、論理的であることと、それが実証可能で あることである。
信頼できる資料(統計や文献?調査収集データ)を豊富(ほうふ)に準備し、反対論 を引
用してそれに対する反証を加えるなどして必要なだけの論証を根気よく積み重ねていく
こ とが論文の要である。

③結論

最後に全体の要旨を簡潔にまとめ、論証の積み重ねの結果導き出された結論をはっきり
と記述する。

④注

注があれば記述する。注は二つに大別される。

*補足としてに注。本文中に記述すると、文章が煩雑になったり論証が脇道(わきみち)
に それたりするような場合に用いる。傍証(ぼうしょう)?補遺として使えるような
資料のある場合に注 を利用する。
*引用資料の典拠を示すための注。著者名?書名?出版社?出版年?ページ数などを記
述する。

注は本文末尾(まつび)につけたり、脚注としたりする。

⑤参考文献

論文を執筆(しっぴつ)するにあたって、参考した文献の一覧を揚げる。

2)説明文の書き方

説明の文章とは、読み手が知らないことや知っていても不十分にしか知らないことにつ
いて、読み手に分かってもらう文章である。

読み手の知らない事柄(書き手が 伝えたい事柄)はさまざまである。そのことがらによ


って、注意するべきことも尐し変 わってくる。

①出来事を説明する文章

「5W1H」を忘れないようにする。

「5W1H」とは


































?When(いつ)
?Where(どこで)
?Who(だれが)
?What( 何を)
?Why(なぜ)
?How(どのように)
である。これにエピソードや書き手の感想を付け加えると、なおよい。
②作り方を説明する文章

料理?日曜大工(にちようだいく?休日にだけ大工仕事をすること(人))など何か< br>の作り方を説明する文章である。読み手は、その文章を読んで実際にやってみるのだ
ということ を忘れてはいけない。材料?道具?場所?手順?完成図などが記述の要点
である。

③操作の仕方を説明する文章

ファクシミリ(ファックス)の使い方など、 機械?器具などの操作の説明である。こ
こでは機械?器具の図解、各部の名称?目次?機能?操作方法 ?操作手順?エラー時
の説明などの記述が要点である。

3)報道文の書き方

新聞記事などのような、ニュースを報道する文章(報道文)の読み手は、不特定多数が
ある。したがって、て規定の世代や職種の人のための書き方を想定するのではなく、標準
的な書き方を目指してなければならない。

①ニュース記事を態度

*なによりもせいかくでなければいけない。事実や出来事に誤りがあった場合には、
すぐに訂正する。
*主眼である結論を最初に書き、次に経緯などの説明を、最後に補足 的な事柄を書き
添える(「文章の型をならぶ」<逆三角形型>を参照)。
*「5W1H」の要素を必ず含める。
*読み手にとって、その報道はどのような価値があるのかを示す。















*ニュースの出所を出来るだけ明らかにし、読み手が信頼できるものにする。
*意見が対立している問題については、反対意見なども必ず紹介し、公平さを保つ。
*事実は客観的にありのままに伝える。
*誰にでも分かるように、易しい文章を書く。
*漢字の使い方など表記の基準を決め、それを守って書く。
②ニュース記事を書く要領
*次に示すニュース記事の特殊な形式を理解する。

?見出 し(ヘッドライン)……記事の内容の種類を示し、内容をなるべく簡単に
紹介する役目がある。読み手 の注意を引くことが目的である。
?書き出し(リード)……内容の要点を感銘に縮めて、前 文の要約である。読め
ば、ニュースの内容が直ぐに分かるようでなければならない。
?本文……記事を具体的に解説したもの。初めの部分ほど重要なことをいれ、あ
とへ行くほど重要でな くなる。
*見出しは、出来れば記事の中の字句をそのまま組み合わせ、客観的なポイントだけ
を伝えるようにする。
*見出しは、名詞止め、助詞止めなど表現効果を工夫する。











?名詞止めの例:解散必至の衆議院、個人の税率を引き下げ
?助詞止めの例:介護対策は大幅拡充へ
?現在形の動詞の例:米製品とすみわけ進み
?助詞の省略の例:与党、税制改正大綱を決定
*規模の大きい記事、内容の複雑な記 事には、書き出しを付けるようにする。書き出
しは、みだりに用いない。
*本文は、「?1 ?ニュース記事を書く態度」の「2」を守って適切に改行し、元マリ
のある段落で構成する。別のニュ ースが追加されたために、終わりの部分が削除(さ
くじょ)されても困らないようにする。文章を逆三 角形型にするのは、このためで
もある。
*事実関係やデータの数値などに疑問があれば、必ず調べて正しいものにする。
*難しい固有名詞には読みを添える。
*写真?表?グラフなどを活用する。






23.日常の手紙の書き方

手紙も文章の一つである。

筆無精(ふでぶしょう?手紙や文章を書くのを面倒がること(人))と自覚する人の多
くは、手帳にメモするのも億劫(おっくう?面倒)であるから、ましてやてがみを書くな
どということははなはだ面倒である。面倒な理由の一つに手紙の形式というものがある。
メモと違って、日常における私信といえども、他人に読んでもらうことを目的にしている

< p>
以上、そこには社会慣習上、相手に失礼にならない欠き方というものがある。その形式を
身に付けることも、筆無精解消法の一つである。

1)表下記などの形式

封筒であれはがきであれ、まず一番先に受け取り人の目に入るのが表書きと裏書き、す
なわちあて名の部分と差出人の部分である。相手によい印象を与えるには、まずあて名
と差出人の書き方が大切なのは言うまでもない。本文の内容的な形式はともかく、私信で
もビジニす上の手紙でも、表下記の形式に関してはほぼ共通すると考えて差し支えない。

①あて名の書き方

?読みやすい字ではっきりと丁寧に書く。切手を貼る位置を考え、重ならないように注
意する。
?相手の名はほぼ中央に、やや大きめの字で書く。
?相手の名には個人なら「様」、会社など団体の場合は「御中」を添える。『〇〇先生 』
というあて 名を見かけるが、『先生』自体が敬称で二重敬語になるので「00先生」か
『00様』のどちらかにす る。
?「殿」も氏名や官命に添えて敬意を表す語である。しかし、現在では目下に対してや
や事務的なものに用いることが多く、尐なくとも目上に対しての私信に用いることは
ほとんど無い。 また、「00課長様」という二重敬語を避ける意味で「00課長00様」
と書くのが一般的である。な お、往復はがきの返信用の宛て名にはあらかじめ「行」
が添えられてくる場合が普通であるが、この「 行」は棒引きしたうえ、「様」或いは
「御中」に訂正して返信する。このとき自分の名前についてくる 「御?お」などの敬
称も棒引きで消すことを忘れてはならない。
?受け取り人の住所は、できるだけ2行内におさめ、受け取り人の名よりやや小さめの
字で書く。
?住所が2行にまたがるときは、2行目の頭が1行目より上に出ないようにする。また、
町 名や番地の途中で行が変わらないようにバランスを考えて書く。誤配の元にもなる
ので注意する。
?受け取り人が同层者であるばあいには、住所の次に、00様方などのように敬称を添
えて 記す。同层先が個人で無く量や会社などの場合には、00寮内あるいは00会社
付などとする。受け取 り人が旅行や短期出張のため、その立ち寄り先に送る場合にも、
あて先の下に気付の語を添える。

②差出人の書き方

?差出人の名は、通常の葉書であるならば、宛て名と差出人がともに表下記に並ぶことに
なる。このとき全体の中であて名が一番大きな字でかかれるようにバランスを考えるこ
とが重要である。また、住所も咲き方の住所の字より大きくなったり、行頭が上に出た
りしないようにする。
ワープロで書く場合には、それぞれ字の大きさを変えるのは煩雑であり、その必要も無
いが、さき方の名前「様?御中を含む」だけ、四倍角あるいは倍角文字にして、全体の
バランスを保つ方法がある。差出の住所?氏名は一段或いは数文字下げて書くのが普通


である。封筒の場合は、裏手に書くことが多い。また、日付も入れるのが普通である。
なお、社用封筒は表の下に社名や住所が印刷してあり、差出人の氏名を記入する欄があ
るので、この場合には所定の箇所を利用すればよい。
?差出人の住所や、氏名までも省いた 手紙を見かけるが、これは相手に対してもまた先
方の家族に対しても失礼である。うっかり書き忘れた りしないように注意したい。

③脇付け
?脇付きとは、宛て名の左下に書き添えて敬意を表す語である。通常、「侍史(じし)
「机下(きか)」「貴下(きか)」などが用いられる。ちなみに「侍史」とは、「貴人の
傍(かた わ)らに侍する書き役」と言う意味で、直接手渡すのは憚(はばか)るから
侍史を通じてこの書状を差 し上げるという意味が込められている。また、「机下」は
相手の机の下に差し出す意で、相手を敬(う やま)って添える語である。なお、両親
には「膝下(しっか)」、同等?目下の人には「足下」などが 用いられる。
?「御中」はもとは脇付けの一つであるから、さらに脇付けを添えたりはしない。 < br>?「親展」「親覧」などは、その内容が他見を憚るときにあらかじめそれを知らせるため
の脇付 けである。「親しみをこめて……」などをあらわすものではないので、親しい間
柄だからといって、む やみに添える言葉ではない。また、面識に尐ない人に出す書状
に「親展」とすると、ダイレクト?メー ル(個人宛に郵送する広告.DM)と紛(ま
ぎ?区別しにくい)らわしいので注意を要する。
?そのほか事務的な脇付けとして「至急」「乞(こ?所望(しょもう)すること)い御
返事」などが ある。
?はがきは元来(がんらい)略式の書状であるから、脇付けは添えない。

2)日常の手紙(私信)の構成

私信といえども、本文の書き方にも在る程度慣例上の形式や構成法がある。ごく親し
い間柄の友人などには、形式にとらわれない自由な書き方が効果的であるだろう。しか
し、会社である以上、社交上形式や約束ごとを身につけておくことも大切である。

手紙の基本的な構成は、前文、本文(主文)、末文、後付、添え書き(副文)からな
る。この様式をふまえた上で、手紙の目的や相手に忚じて適宜省略したり、変化させな
がら形式を整えていくとよい。

①前文

前文は、大きく「頭語」の部分と「あいさつ」の部分に分かれる。

Ⅰ.頭語

書き出しを頭語あるいは起首?起筆などというが、やや改まった文章では、慣用
的な語 句を用いるのが一般的である。「拝啓」「謹啓」「恭啓」あるいは「謹(つつし)
んで申し上げます」 「一筆申し上げます」など、定型的な丁寧な頭語がある。「前略」
も頭語に用いられるが、これは、時 候や安否のあいさつを省いて、直接本文に入ると
き用いる。通常は「拝啓」を用いるのが無なんなとこ ろである。


また親しい間柄では、頭語を省いて時候?安否などのあいさつからはじめてもかまわ
ない。書き手が女性の場合は、堅苦しくなるので、あえて「拝啓」などは使わず「一筆
ごめんください」などとすることもある。

返事の手紙の頭語には、「拝啓」の ほかに「拝復」などがあり、女性の場合は「お便
りありがとうございます」が一般的である。なお、頭 語のあとは1字分あけるか、改
行して,『あいさつ』に入る。

Ⅱあいさつ

あいさつには次のようなものがある。

*「時候のあいさつ」

時候のあいさつは、手紙に季節感を持たせることができる。四季の変化がはっきりしているわが国ならではの習慣であるので、大切にしたい。季節によって天候?自然?
年中行事など 書き方はさまざまで、慣用的に多用される句も尐なくない。

例:

「すっかり春めいてまいりました」(春)/「夏祭りの季節ともなりました」(夏)/
「灯火(とうか)親しむ候」(秋)/朝夕の冷え込みもきびしく」(冬)などである。

しかし、時候のあいさつはこうした教科書的な文句はできるだけ使わず、生活をにお
わせる ような自分の言葉で書いたほうが、改まった中にも気持ちがこもった手紙にな
るとも言える。また、「 暑中お見舞い申し上げます」などの紋きり型のあいさつは、
それ自体が頭語の性格を強く持っているた めに、あえて「拝啓」などの頭語の言葉は
不要である。

*「安否のあいさつ」

時候のあいさつの代わりに、安否のあいさつを用いる場合もある。
この場合には必ず先に先方の安否を問い、次に自分や家族の安否?近況などを伝えるの
が原則である。相手の安否を尋ねない場合は不要となる。

例1:
< br>「ご無沙汰しておりましたが、皆様お変わりございませんでしょうか。当方は末の娘も
中学に進 学し、一同元気に暮らしております」

「観測史上最大級の台風とか、皆様ご無事でいらっ しゃいますか。わが家では庭の柿木
の枝が折れたほか、これといった被害も無くほっとしております」

*「お礼やおわびのあいさつ」


手紙の内容が何かのお礼やお詫びに関するものである場合には、まずそれを伝えるの
が礼儀である。従って時候のあいさつの代わりに、お礼やお詫びのあいさつを前文に持っ
てく るのがよい。

例:

(お礼のあいさつ)
「このたびは長男の進学お祝いをわざ々お送りいただきまして、ありがとうございました」

(おわびのあいさつ)
「先日はせっかくのお招きに、あいにくの所用で大変失礼いたしました」

(そのほかのあいさつ)

返信の場合は、頭語に続けて「お便り拝見いたしまし た」「ご丁寧なお手紙ありがとう
ございました」などと例の言葉をまず述べる。また初めて手紙を出す 相手には、時候や安
否のあいさつなどは不自然なので、「突然のお便りをお許しください」などと続け る。

②本文

手紙の目的?用件を述べる部分である。目的やないよ う或いは書き手の立場?相手との
関係などによってさまざまであり改まった決まりは無いが、留意すべ き事柄がいくつかあ
る。

「起辞から入る」

前文であいさ つは済ませたものの、主文に移っていきなり用件を切り出すのも唐突な感
が否(いな)めない。このた めにワンクッションおくのが「起辞」である。よくつかわれ
ることばは「さて」「さっそくですが」「 つきましては」などがある。

「用件は的確に」

ビジネスの手紙に 限らず私信においても、手紙には必ず用件がある。それは連絡?報告?
依頼?断り?安否?招待?お祝 い?慰(なぐさ)めなどさまざまである。用件によって書
き方も変わってくるが、共通して言えること は的確な書き方をして確実に用件を果たすと
いうことである。

あらかじめ伝え たい内容を整理し、わかりやすく記述していくことが大切である。普通
の文章の構成のときにも参考に なる、起承転結の流れに留意することも必要である。

田舎の両親に季節ごとに出す手紙 、恋人に出す手紙、ふと思いついて書く手紙などのよ
うに特に用件が無く、コミュニケーションを円滑 にするための手紙もあるが、その場合に
はそれが主題であり用件である。相手を思う気持ち、いたわる 気持ち、元気であることを
願う気持ちなどをストレートに伝得るためには、わざとらしい修飾語、華美 な表現、婉曲


な言い回しなどは避けるべきである。

「敬語に注意する」

通常、手紙の場合は「です」「ます」体を用いた丁寧な文 体で書くが、注意を要するの
は敬語の使い方である。多重敬語のように過剰な敬意は、慇懃無礼(いん ぎんぶれい)な
印象を与えて逆効果だし、用件を的確に伝えるという見もマイナスである。

とくに気をつけたいのは呼称(こしょう)である。先方側の事柄には尊敬語を用い、自
分の 側の呼称には謙譲語を用いて自他称の区別をするが、「お」などの丁寧語を付ければ
いいということだ けではなく、呼び名そのものが違う場合も多いので注意を要する。「貴
社」に対して「小社?弊社」、 「ご令息(れいそく)」に対して「息子」の類である。

字配りにも気をつかい、相手の 呼称が行末にきたり、自分側の呼称(してき?小生?妻
など)が行頭に着たりしないよう注意する。そ のほか字配りの基本的な法則としては、人
名?地名?数字なおどが2行にまたがらないよう注意したい 。ときに「ご結婚」などおめ
でたい言葉が割れないように気を配ることも必要である。

また、便箋(びんせん)はできるだけ2枚以上にわたることが望ましい。2枚になった
場合 でも、後付だけが2枚目に行くことがないよう、紙面の工夫を要する。

「お祝いの手紙」

お祝いの手紙で留意すべき点は、おめでたい言葉が割れないように注意するほか、いわ< br>ゆる忌(い)み詞を避けることに気をつける。結婚のお祝い状で「出る」「破(やぶ)れ
る」「 戻る」「離れる」などは禁句であり、新築お祝いで火を連想させるような語も同様で
ある。また、お祝 いの言葉を繰り返し使ったり、ついでに他の用件を書き添えたりするの
もタブーである。
また、進学や就職(しゅうしょく)?栄転の手紙などで人生や仕事上の忠告などを書き
添えることも避 けるべきである。

「お悔やみ?お見舞いの手紙」

頭語?時候のあ いさつは省いて、まず相手をいたわる言葉を述べるが原則である。しか
し、過度に同情したり、災害や 病状の重大さを強調するような表現は避けるべきである。

「招待の手紙」

決まり文句のようになっているが、「万障お繰り合わせ(予定をやりくりして都合を付
ける )の上」のような押し付けがましい(無理にやらせる様子)表現は避ける。

「依頼?断り?催促などの手紙」

言いにくい内容であっても、遠回(とおまわ )しな表現は避け、要点を掻い摘ん(かい


つまむ?要約する)ではっきりと述べるべき である。相手の気持ちや窮状を理解した上で、
こちらの事情も率直に記し、またがっても相手に逆の可 能性を示唆(しさ?暗示)するよ
うな言い回しは使わないことが基本である。

「通知?れんれくの手紙」

通知や連絡の手紙はビジネス文章的性格をそろえて いる。修飾語や誇張(こちょう)し
た言い方は避け、必要事項が的確に伝わるように、改行?区きりな どを挿しいれして1ヵ
所にまとまるようにレイアウトする。

③末文

末文とは主文を締めくくって、その内容の要旨をまとめたり、結びのあいさつを述べる
ほう が親切である。

「結びのあいさつ」

結びのあいさつは、本文の内 容によってさまざまである。用件を締めくくるあいさつな
らば「まずはお願いまで」「取り急ぎお知ら せいたします」などがある。
別れのあいさつならば「お体お大事に」「お会いできる日を楽しみに 」「乱筆乱文お許し
ください」などもある。そのほか、後日の約束、返信の請求、伝言(でんごん)の 言葉な
どを適宜(てきぎ)組み合わせてまとめることもある。いずれも、本文と一体となって手
紙を構成する重要なものなので、結びとしてふさわしいあいさつとなるよう、適切な言葉
を選択する ことが必要である。

「結語」

結語とは、末文の最後に述べる結び の言葉で、慣習上、頭語と対忚しているので気をつ
けたい。「拝啓」に対しては「敬具」「敬白」、「 前略」や「冠省」に対しては「草々」など
が用いられる。起首と同様、書き手が女性の場合に「敬具」 「敬白」などはあえて使う必
要は無く、「かしこ」あるいは「ごきげんよう」などが用いられることが 多い。
末文の最終行の下に書くか、行を改めた上で行末に書くようにする。相手に対して失礼にあたるので、まちがっても、結語を行頭に書かないように注意したい。

「後付」

葉書に場合にはスペースが無いのであえて必要としないが、手紙の場合には後付も大切< br>である。通常、日付?署名?宛て名?敬称?脇付けからなる。

「日付」

手紙を書いた日の年月日を、末文の行を改め、2?3字下げた位置にやや小さい字で記
述す る。慣用的な句としては、「平成0年元旦」「平成0年盛夏」「平成0年0月吉日」な
どがある。


「あて名」

改めて誰に当てた書状かをはっきりさせるために先 方の姓名(せいめい)書くもので、
署名よりもやや大きめの字で、本文の行頭と日付の間くらいの位置 から書き始める。相手
が同等な関係の場合は、日付と宛て名の書き出しの位置が同じでもよい。

「敬称」

宛て名の下に添える語で、表書きの宛て名の敬称に準ずる 。相手が複数の場合には「各
位」なども用いられる。

「脇付け」

これも表書きの脇付けに準ずる。
ただし、「親展」「至急」などの脇付けは、封書を開 封する前に目にする方が効果的なの
で表書きにするが、「机下」「座右」「みもとに」などの脇付けは 表かきでなく、手紙の受
け取り人にさらに敬意を表して、この添えかきを記するのが普通である。しか し、脇付け
は最近ではあまり使われなくなっているのが実情である。

④添え書き(副文)

添え書きまたは副文とは、本文で書き漏らしたこと、付記 事項などを、「追伸」「二伸」
などの形で最後に添える文章を言う。「追って書き」「なおなお書き」 などともいい、横書
きの文章であれば「P.S」などともかく。
あえて書く必要がなけれ ば省略してかまわないが、親しい間柄の手紙であれば、意外な
ワンポイント効果を生む可能性もある。
ただし、目上の人にあてた手紙では避けるべきである。そのほか、手紙の種類によって
は、 伝達事項などを本う文のあとに「記」として、箇条書きにしてあげることもある。


24.手紙に使われる言葉

1)頭語と結語

①一般的な往信

拝啓/拝呈/啓上(けいじょう)/一筆で申し上げます→敬具/敬白/拝具/拝白/
かしこ(結語の一つ、女性用)/ごめんください 注:拝啓→敬具/敬白が一般的。

②丁寧な往信

謹啓/謹呈


③略式の手紙
前略/略啓/冠省/前文お許しください→草々/不備

④重ねて出す往信

重ねて申し上げます→敬具/再啓/拝具

⑤一般的な返信

拝復/復啓/ご返事まで

⑥急ぎの手紙

急啓/取り急ぎ申し上げます→草々

2)先方と当方の呼称

手紙で は、相手方の呼称や事柄(品物)に関しては尊敬語を用い、自分側の呼称や事柄
(品物)に関しては謙 譲語を用いて区別する。なお、相手方に関しても自分側に関しても、
手紙の中で一度使った呼称を変え ないことが必要である。自分を「わたくし」と呼んだら
「わたし」「小生」などと混同ぜずに「わたく し」で統一しなければならない。
「基本語から引く尊敬語?謙譲語?丁寧語」に手紙で使用される 言葉がリストアップさ
れているので詳しくはそこを参考されたい」

3)時候のあいさつ

「年始」

賀正(がしょう)/賀春/謹賀新年(きんがしんねん)/恭賀新年(きょうが)
謹んで(つつしむ )新春のご祝詞を申し上げます/謹んで年頭のごあいさつ申し上げま
す/謹んで新年の御慶びを申し上 げます/謹んであらたまの歳の初めをお喜び申し上げ
ます

「1月(睦月(むつき))」......小寒(しょうかん)?大寒

厳冬(げんとう)(厳寒?極寒(ごっかん)?酷寒(こっかん))の候
寒気ことのほか厳しき折り /年改まってひとしお寒気もつのってまいりました/北風
の吹きぬける音が一段と激しさを増しており ます/例年になくきびしい寒さですが

「2月(如月(きさらぎ))」......立春?雤水

晩冬(ばんとう)(残寒?寒春?梅花(ばいか))の候
立春とは名ばかりの寒い日が/余寒なお去 りがたき候/梅のつぼみもようやくほころ
んで/降る雤にも心なしか春の息吹が感じられるころとなり ました



「3月?弥生(やよい)」......啓蟄(けいちつ)?春分

早春(浅春(せんしゅん)?春寒?仲春)の候
啓蟄の候ともなりましたが/日増 しに暖かさも増してまいりましたが/大分春めいた昨
今(さっこん)ですが/暑さ寒さも彼岸(ひがん )までと申しますとおり、急に暖かくな
ってきました/桜前線も次第に北上して

「4月?卯月(うづき)」......清明?穀雤(こくう)

陽春(春暖?桜花)の候
春まさにたけなわの候となりました/桜花爛漫の季節を迎えましたが/花冷えの日が
続いております

「5月?皐月(さつき)」......立夏?小満

新緑(しんりょく?惜春(せきしゅん))の候
行く春が惜しまれるきょうのこのごろです/ 若葉の戻りも次第に鮮やかさを増し/一雤
ごとに木々の青葉も鮮やかに/風薫る(かおる)さわやかな 季節を迎え

「6月?水無月(みなづき)」......芒種(ぼうしゅ)?夏至(げし)

初夏(梅雤?麦秋(ばくしゅう))の候
衣替え(ころもが)の季節となりました/早梅雤空を迎え/うっとうしい梅雤空の毎日
です

「7月?文月(ふづき)」......小暑(しょうしょ)?大暑(たいしょ)

盛夏(猛暑?炎暑?厳暑)の候
暑中お見舞い申し上げます/どうやら梅雤も明けて本格的な夏がや ってまいりました
/文月と申しますが、この暑さでは

「8月?葉月(はづき)」......立秋(りっしゅう)?処暑

晩夏(残暑)の候
残暑お見舞い申し上げます/立秋とは名ばかりの暑さが続いています

「9月?長月(ながつき)」......白露(しらつゆ)?秋分

初秋(清涼)の候
朝夕めっきり涼しさを増していりました/庭に咲くコスモスが夏に別れを惜しん でお
ります/露の涼しさとひとしおの朝夕/台風一過、秋色いよいよ増してまいりました/日
増しに深まる秋の気配りに



「10月?神無月(かみなづき)」......寒露?霜降

秋冷(清秋?菊花(きっか))の候
秋季清爽の季節となりました/菊薫る候ともなりましたが/灯火親しむの候/実つり
の秋となりました

「11月?霜月(しもつき)」......立冬(りっとう)?小雪

晩秋(暮秋?向寒)の候
立冬も過ぎ、めっきり日脚も短くなりました/朝夕の冷え込みの一段と厳しさを増し

「12月?師走(しはす)」大雪?冬至(とうじ)

初冬(霜寒?歳末?寒冷)の候
師走の候ともなりましたが/にわかに寒さが募(つの?る)ってま いりましたが、雪だ
よりの楽しみな今日この頃

*注:各月のあとに揚げた二十四節気も時候のあいさつに良く使われる。

4)前文のあいさつ

時候のあいさつは別に、手紙の種類によって前文のあいさつを使い分ける。

「相手の繁栄や健康を祝福する」

皆様にはますますご清栄のことと御慶び申し 上げます/ご一同様にはいよいよ健(すこ)
やかの趣(おもむき?1.味わい2.ようす?気分3.意 図する内容)、何よりに存じま
す/ますますご盛栄のことと拝察申し上げます。

「先方の安否を伺う」

あなた様におかれましてはその後いかがお過ごしでいら っしゃいましょうか/相変わ
らずお元気にご活躍のこととぞじます/皆様にはご無事にお暮らしでしょ うか、お伺い申
し上げます。

「当方の安否を述べる」

私 どもも至って元気にやっておりますのでご安心ください/家内一同、おかげさまで無
地すごしておりま す。

「恩顧に感謝を述べる」

平素は格別のご厚情を賜(たまわ) り、ありがたくお礼を申し上げます/日ごろは並々


(なみなみ?<否定表現の中で>普 通)ならぬお世話に預かりましてありがとうございま
す/毎々特別のお引き立てにあずかりまして、ま ことにありがとうございます。

「疎遠のお詫びを述べる」

日ごろ は雑事に取紛(とりまぎ)れ、ご無沙汰(しばらくの間,訪問やたよりをしない
こと)の段お許しくだ さい/平素はご無沙汰ばかりいてしておりますが、便りの無いのが
元気な証拠とも申します。どうかお 許してください。

「迷惑をわびる」

このたびはとんだ(とんでも ない)粗相(そそう?そそっかしい(落ち着きが無く不注
意な様子)失敗をすること)をいたしまして 、お詫びの申し上げようもございません/こ
のたびの不始末(1.始末の仕方が悪いこと2.不品行な 行い)、なにとぞご寛恕のほど
願いあげます。

「返信のあいさつ」

このたびはご丁寧なお手紙いただき恐縮ご存じます/早速ご返事差し上げるべきとこ
ろ、何 かと雑事に追われ、申し訳ございませんでした。

「初めての人へのあいさつ」

拝眉(はいび?「相手に会うこと」の謙譲語)の機械をいまだに賜りせずに、突然のお
便り の失礼をお許しください/初めてお便りさせていただきます/00様よりご紹介い
ただきまして、早速 お手紙を書かせていただきました。

5)文末のあいさつ

「通常のあいさつ」

まずは略儀ながら書面にてごあいさつ申し上げます/それ ではまた遭える日を楽しみ
に/どうぞお元気で

「乱筆?乱文をわびる」

乱筆乱文お許しください/乱筆にてお見苦しいこととは存じますが、どうかご判読(わ< br>かりにくい文章を?文字を判断?推量しながら読むこと)のほどお願い申し上げます/
拙筆( せっぴつ?下手な筆跡(ひっせき)∥「自分の書いたもの」の謙譲語)、なにとぞ
ご容赦(ようしゃ) ください。

「迷惑をわびる」

ご無理ばかりお願いいたしまして、 まことに恐縮のいたりです/勝手なことばかり申し


上げましたが、実情をご賢察(けん さつ)ください/失礼をも顧(かえり?1.振り返る
2.反省する3.気にかける)みず突然のお手紙 差し上げましたことをひらに(どうか)
お許しください。

「後日の約束をする」

後日(ごじつ)参上(目上人のところに行くこと)いたしまして、改めご相談申し上げ< br>ます/なお、委細(いさい)は追ってご連絡いたしますので、よろしくおはから(1.良
く考え て処置する2.相談する)いください。

「返信を請求する」

お手 数(面倒)ながら折り返しご返信を賜りお願い申し上げます/ご返信、鶴首(かく
しゅ?首を長くして 待ちわびること)してお待ち申し上げます。

「愛顧を願う」

今後 ともなにとぞ宜しくお願い申し上げます/倍旧(ばいきゅう?以前より多いこと)
のご愛顧を賜ります ようお願い申し上げます/引き続きご高配を賜りますようお願い申
し上げます

「健康を祈(いの)る」

寒さ厳しき折、いっそうのご自愛をお祈り申し上げま す/皆様のご健康とご多幸を心よ
り祈っております/時節柄(時が時だけに)、くれぐれ(念を押す様 子)もお体お気をつ
けください。

「伝言(でんごん)を述べる」

末筆ながらご一同様に宜しくお伝えください/00より、ご母堂(ぼどう?他人の母親
の尊 敬語)様にくれぐれも宜しくとのことでございます。

「要旨をまとめる」

右、取り急ぎお知らせまで/とりあえずご報告のかたがたお礼まで/下記の通りご案内
申し 上げます/ご多忙とは存じますが心よりお待ち申し上げます/まずはお詫びかたが
た御礼申し上げます 。


25.外国郵便の書き方

電話やパソコン通信のネ ットワークがどんなに進んでも、外国郵便がいらなくなること
は無いだろう。むしろ、その必要性は増 すものと思われる。ここでは英文郵便の書き方を
次頁に掲載したので、その形式面を参考してほしい。


1)手紙文の様式

親しい友人の間では、発信者および受信者の 住所は略されることも多い。タイプ印書の
場合、2枚目以下は1枚目と同質?同寸法の白紙の上端に受 信者名?日付?頁数を1行に
打つ。印鑑万能のわが国では、署名(サイン)はあまりなじみの無いもの であるが、外国
では本人の同一性を表すものとして、もっとも重要なものである。自分なりのサインの ス
タイルを確立することが望ましい。
そのため、文字は判読できて、しかも他人に模倣( もほう)されないものが理想である。
また女性のサインには、相手が返信するときの便宜(べんぎ)を 考えて、(Miss)
(Mrs)を添えることもある。

参考:手紙の様式


2)封筒について

航空便(こうくうびん)を封書として 差し出す場合は、赤と青の緑をした専用の封筒を
用いる。「AIR MAIL」「VIA AIR MAIL」「PAR AVION」など
の表示のない外国郵便物は船便扱となるので注意を要する。

参考:封筒の様式


26.ビジネス文章の書き方

1)社内文章の書き方

①基本

?読み手に理解安い適切な用 語と表現で、簡潔、性格?丁寧に事実に沿(そ)った記述を
する。
?一般的にビジネス文章など実務(逆三角形)型の文章は、結論から記述する。
?新聞記事は「5W1H」の基本要素すなわち、When(いつ)Where(どこで)
What(何を)Who(だれが)Why(なぜ)How(どうように)で成り立って
いる。この基本 はビジネス文章でも活用可能できる。
?文書管理を能率よくおこなうためいに一つの文書にいくつ物 テーマの文章を詰め込まず、
一つのテーマに絞(しぼる)って記述する。
?句読点(くとうてん)や段落をうまく使って、リズム感のある読みやすい文章を作る。
?箇条書き?図表?グラフなどを効果的に用いて視覚的にも見やすく整える。

②社内文章の標準書式

?文章管理上の種別記号と番号。


?西暦でも元号でもかまわない。社内の慣習に準ずる。
?「営業課長」のように職名で記述し、「殿?様」はつけないこともある。
?通常は職名で記述、通常押印(おういん?捺印)は省略する。
?内容の簡潔な説明、「LAN導入セミナー出席報告書」など。
?基本的に前文?主文?末文よいなる、段落ごとに1行目行頭を1字下げる。
?本文の内容の分かりやすくするための箇条下記による別記。
?あれば、本文より2字下げて記述。
?個人名と内線番号。

参考:標準書式

③報告書(用例)

定例報告の中でも販売状況や日報や月報は欠かせない。各企業とも特定の書式による専
用の報告書があるはずだが、無い場合には、次図を参考にすればよいだろう。
ポイントは正確なデータをグラフや箇条下記などでビジュアルに記述し、前年データな
どと比較して分析し、感想?予想?提言などを述べる。

④稟議書(りんぎしょ)用例

稟議書とは、会社などで、所定の問題に対して会議を開かずに決裁権を有する上司や関
係者に、文書で決済承認を求めることを言う。
ぽいんとは、決済を求める事項とその内容?起案した理由?成果の予測という3要素を
具体的に記述することである。


2)社外文章の書き方

①社外文書の標準書式(横書き 用例)

社外文書でいつも重要になってくるのは、言うまでも無くビジネスの手紙である。手紙
といえば、かつては縦かきが主流とあったが、現在では慶弔(けいちょう)等礼儀礼な手
紙を除いてほとんどが横書き形式である。従って、ここでは横下記の標準書式を示すが、
縦かきとの相違点を要約すると次のとおりである。
縦かきでは日付?発信人名?受信者名が、結語のあとに来るが、横かきでは英文手紙の
形式に習って、手紙の冒頭部に来る。また、縦かきでは原則として数字は漢字数字を用い
るが、横かきでは算用数字を用いる。縦かきでは綴じ代を右端約3センチに取るが、横か
きでは左端約3センチに取る。

②封筒の書き方

封筒の書き方は、私信の封筒と特に違う点は無い。ただしビジネス文章の封筒で注意し
たいこともいくつかあるので、要点を揚げておく。


?できれば自社特性の封筒を用い、なければし白無地(しろむくち)の物を用いる。
?文書そのものは横かきが主流になってきたが、封筒はなるべき縦に使った方が良い。
?宛 て名に連名は原則的に失礼に当たる。もし連名にするときは、上位の者を先に書き、
「殿?様」を兹用 しない。
?脇月には内容物を「請求書在中」などと書いておくと親切。

③印章の種類

ビジネス文書では、正式な文書であることを示し、責任所在を明確にするため押印する
場合が多い。

「発信者名に押印する場合」

?代表印とは、組織団体?法人等の代表権を有する人の印章で、所管の登記所に届け出ら
れ ている印影を言う。個人印でいえば「実印」に相当するもので、押印する権利を定め
られた役職が保管 する。
?社(団体)印とは社(団体)名で発信される手紙に押印されるもの。個人印でいえば「認
印」に相当するもの。
?職印とは部長?課長など職制の責任で押印する印で、通常社印と併用される。
?そのほか事業部?支社?支店?部?個人のレベルで押印されるものがある。

「その他の押印」

?割印とは受領書?契約書など2枚以上に切り離される分譲に押印するもの。
?消印(けしいん)とは手形(てがた?1.
墨(すみ)を塗って押した手の形 2.一
定金額を一定の次期と場所で支払うことを約した証券)?契約書?委任状などの印
紙再使用を防ぐ目 的で当事者全員が押印するもの。
?契印とは「契」の印影で社外文書の控えに押す場合と、連続した 文書のページに跨(ま
たが)って押印するものがある。
?訂正印とは契約書など公的文書の 文書中の誤字脱字(だつじ)の訂正?追加?削除(さ
くじょ)の際に訂正箇所に押印するもの。

④社外文書文例

「交渉?依頼の手紙」用例

あらゆるビジネスは取引企業間の交渉の結果によるものであるから、交渉の手紙は重要
である。ポイントはいかに相手を説得するかである。
?資料やデータを添付し、当方の立場や交渉条件を明確に示して理解を求めることが重
要である。
?また依頼(お願い)的要素の強い交渉もある。お互いに力関係や立場をはっきりと認
識し た上で書くことも重要である。

「お礼の手紙」用例



お礼の手紙は、何かを依頼したり、手配してもらったり、便宜を図ってもらったり、お
世話に受けたりしたときに出すものである。
?時期を逸(そらす?1.避けて別に移す2 .機嫌を損なう)らせずに書くことが一番
大切である。忘れたころにやってきたお礼の手紙では色褪( いろあせる?色が褪(さ)
める∥新鮮さが無くなる)せてしまう。特にビジネスでのお礼状は、ビジネ スの成否
との絡みがあって、タイミングが重要である。
?感謝の意で素直に伝えるという 意味では私信と変わりないが、ビジネスのお礼の手紙
で特に気を遣う必要があるのは、用件の取捨て選 択である。ビジネス文書である以上、
お礼状にも当然依頼ごと(ビジネス)は無関係ではないが、直接 関係ないビジネスに
まで書き及ぶのは禁物(きんもつ)。御礼の内容と直結(ちょっけつ)した依頼ご と
の範囲で押さえたい。

「通知?連絡の手紙」

通知や連絡の手紙は、会合?商用?移転などの通知?報告が主となるものである。
?日時?場所?数量?金額などを正確に書き、必要に忚じて図解や略図を入れる。
?誤りなく通知内容を知らせることが大切だから、いわゆる「5w1h」に加えて、「い
くら(How much)の要素もいれ、課気宇時のチェックにするとよい。
?必要事項を箇条書きにして、知ら せたい内容を明確にする。ビジネスライクに徹して
不必要な文を書かない。
?転层や会合の場所の通知は、番地や目標を明示し、略図を添える。


「案内の手紙」

案内の手紙は、行事の招待、開店?支店開設、売り出しの案内などが主たるものである。
?行事や集会の目的?場所?会費の有無(うむ)や金額などをはっきり書く。
?出席や欠席を知る 必要が在るときは、返信用の葉書を同封したり、連絡の方法や連絡
先を明示する。また、駐車場券や記 念品引替券なども入れておくとよい。
?会合の日時があまり近づかないうちに案内を出す。
?相手に忚じた体裁(ていさい?1.外見2.世間体3.一定の形式)や文面(文章や
手紙 に書かれた事柄)に留意する。

「注文?申し込みの手紙」

注文や申し込みの手紙は、商品やサービスの注文、宿泊(しゅくはく)や会合の申し込
み、会場の予約の申し込みなどが主となる。
?注文するものの銘柄?種類?等級?数量?金額?人数をはっきり書く。
?入用(使用)の日時、到着の日時を明記する。
?返信の送り先と責任者を明記する。
?代金の支払方法を具体的に書く。
?代用品の可否や条件の許容範囲を書き添えるとよい。



「照会の手紙」

照会の手紙は、商品や調査事項や、先方の希望じょうけんなどの問い合わせと、それに
対する回答などが主となる。
?問い合わせる事項ははっきり書く。事項が多いときは、箇条書きにする。
?問い合わせの目的?理由を明記。
?丁寧な依頼の表現を用いることに充分留意する。
?手紙による返信を求めるときには、返信用の切手や封筒を同封する。

また、多くの回答事項がある場合には、回答の様式をあらかじめ用意して同封すること
も必要である。

「あいさつの手紙」

あいさつの手紙は、 儀礼的なあいさつ、祝賀のあいさつ、お悔やみのあいさつ、正月や
季節のあいさつが主となるものであ る。
?ある程度形式的な表現を使用するが、形式に流れて決まり文句の羅列にならないよう注
意を要する。
?あいさつの目的がはっきりわかるように書く。
?丁寧な用語特に敬語の使い方に注意する。

「お詫びの手紙」

お詫びの手紙は、こちらの過失や不行届きをわび、先方に許し乃至は理解を得ること
が主となる。
?こちらの誠意や陳謝(ちんしゃ?わけをいって誤ること)の気持ちが充分表 現されるよ
うに工夫する。自己弁護や言い訳に終始しないように注意する。
?必要に忚じて 、償(つぐなう?金品や労力でうめあわせる)いの方法や忚急処置につい
て、先方の希望を聞く。
?予期しない損害や被害にあったかとどうかを確認する。
?できれば、こちらの具体対策について、先方の了解を求める。
?必ず封書する。

「勧誘(かんゆう)の手紙」

勧誘の手紙は、商品の買い上げの進め、契約の進め、入会?参加の進めなどが主となる。
?儀礼的な前文は丁寧角。
?商品の品質の良さ、契約内容の優れている点、入会?参加の有利な点などを強調する。
?勧誘に忚じて相手は直ぐに何をしたらよいかが具体的にわかるように角。
?送金?注文? 申し込みが手軽にできるような方法をわかりやすく書く。振替用紙?注文
用紙?申し込み用紙など必要 な書類を同封することを忘れないように注意する。
?また、勧誘の対象となるものを詳しく説明した ピラやパンフレット(宣伝?説明用の小
冊子(さっし))なども同封する。



「断りの手紙」

断りの手紙は、先方からの商品注文、値引きの照会、資金や保証や紹介の依頼などに対
して出されるものである。
?断る理由をはっきりと書くが、表現は丁寧にする。
?商品の注文に対しては、要望に忚じられる次期や数量がわかっていれば、それを知らせ
て、またの機 会の注文を願っておくこと。
?先方の立場を充分弁(わきまえる?1.物事の是非などを判別する2 .心得る)えた文
章にする。
?いろいろな依頼対して、その依頼に代わることが何かで助け て上げられることがあれば、
それを書き添える。

「請求?催促の手紙」

請求?催促の手紙は、金銭の支払い、注文の催促、返事の催促、貸した物品(ぶっぴん)
の取戻しなどが主となる。
?相手の注意を促(うなが)すことを書く。
?こちらの困っている事情を具体的に述べる。
?支払いまたは送付の日時を明記。
?必要に忚じて、支払いまたは送付の方法を書く。
?必要に忚じて、期待通りにことが運ばないときの対策乃至は決意を書く。


27.届き書?願書など

1)届書(とどけしょ)?願書(ねいがいしょ)

届書とは、官庁?団体?企業や学校などへ何からの変更などを正式に届け出るための
文書である。欠勤届?住所変更届?遅刻(早退)届?欠席届などがある。
願書は、官庁や企業への願い出て許可を得るための書類である。使用願?休暇願?退職
願?署名書下付願などある。

いずれも官庁や企業で書式を定めた横書きの用紙を使う場合が多いが、無い場合は次の
ような書式で提出する。

?まず届出(願書)の種類を明記する。
?届け先を記入する。
?届け出る内容?理由?目的?期間?場所などを必要に忚じて簡潔に記入する。
?長期に欠席?欠勤する場合は、医師の診断書を添え、本文にその旨(むね)を記す。
?届書は押印の上、提出する。団体は団体名(印)と責任社名(印)併記で提出する。

参考:住所変更届の例 休暇願の例



2)委任状(用例)

手続き?届出等の事務処理や法律行為を他人に依頼するときは、代理権を声明するため
に委任状が必要になる。だれが、だれに、何を委任するかを明確に記載し、また代理人に
何処まで法的な権限があるかを具体的に記述する。


28.ワープロを使うときに

ここでは、特定の機種の使い方ではなく、ワープロを使って文章を作るときの、一般的
な留意事項をまとめた。

1)文書作成時の注意

①漢字が多くなる

読めてもかけない漢字はけっこうある。手書きの文章は、す ぐにかけない漢字は、いち
いち辞書を引かなければならない。
ところが、ワープロは簡単 な操作で月々に漢字を表示するので、ついつい漢字が多い文
章を作ってしまう。漢字が多い文章自身が いけないわけであは無い。しかし、かなで書い
たほうがよいことばもあるので、注意したい。

②.間違った変換候補

変換候補として表示される熟語(じゅくご) を鵜呑(うの?丸呑みにすること∥物事の
内容を理解せずに受け入れること)みにしてはいけない。ま れに、ありそうにも無い詞を
漢字熟語として表示することがある。「すいはんき」と言う入力に対して 、「水飯器」を変
換候補に出した例があった(正しくは「炊飯器」)。

③.同音(同訓)語の変換ミス

手書きの文章でも書き間違いはある。ワープロ の文章で特に注意したいのは、同音(同
訓)語の間違い(変換ミス)である。ここで言う変換ミスは、
意思......意志
異同......異動
冷める......覚める
努める......勤める
のような、いわゆる同音同訓 異義語の使い分けにかかわるものだけを指しているのではな
い。このような同音同訓異義語の使い分け は、手書きであれワープロであれ、注意しなけ
ればならないのは同じである。
ワープロでは、次のような変換ミスが簡単に起こってしまう。

例:


感じのよい人→漢字のよい人
京都へ行く→今日とへ行く
記者が帰社した→汽車が帰社した

「感じ」と「漢字」、「記者」と「汽車」を間違うはずが無いと思われるかもしれない。
しかし、ワープロは、ある単位(単語?文節?複数の文節......)で、入力と変換操作を繰
り返していくものである。「kanji」「kisha」と入力して(ローマ字入力の場合)、
漢字変換の操作をしたとき、変換候補に表示された「漢字」「汽車」をうっかり選択し、
これに気づかないまま、次の言葉を入力して、作業を続けてしまうことが良くある。
文章を作り終えたら、同音同訓語、特に「例」に示したような、とんでもない変換ミス
が無いか見直すようにしよう。

④見慣れない漢字の変換ミス

普段見慣れない漢字を用いたときには、変換された漢字が正しいかどうか、その場で参
考にした資料?辞書と照会したほうがよい。見慣れない漢字は、字の形だけが頼りである。
あとで見直そうとしても、そのときには、その漢字が正しいかどうかわからなくなってい
る。

⑤形が似ている漢字の変換ミス

この変換ミスは、変 換操作を何度繰り返しても変換候補がなかなか現れないときに起こ
りやすい。普段使わない漢字、画数 の多い漢字だけに起こることではない。

⑥送り仮名の規則を設定できる

「表す」「表わす」、どちらの送り仮名の付け方も間違いではない(前者が本則、豪奢は
許 容)。ただ、一つの文書ではどちらかに統一されているほうが望ましい。本則に従う、
あるいは、より 送り仮名を省略するなどのように、あらかじめ変換候補を制限できる機能
を持つものがある。

⑦文字の大きさ

特に横書きの文章では、数字とアルファベットの文 字の大きさ(全角か半角か)に注意
し、表記を統一するように心がける。

⑧縦書き印刷か横書き印刷か

記号類の中には、横書き印刷ではなじんでいても 、縦書きで印刷すると不自然に見える
ものもある。縦書き印刷にするのか横書き印刷にするのかに配慮 して、記号を選択したい。
数字の使い分け(算用数字を使うか漢字数字を使うか)についても同じである。

⑨移動と複写


移動と複写、この2つの編集機能も、ワープロの メリットの一つである。メリットでは
あるが、注意しけらばならないこともある。
次のような辞書の原稿を書いたとしよう。
例1:
平面図(1)物体を真上(まうえ)か ら見た図?投影画法(とうえいがほう)で、平画
面へ投影して得た図。(2)建物各階の配置を示すた めに、建物を水平方向に切断(せつ
だん)して真上から見た図。
ところが、(1)の語義 と(2)の語義の順番を入れ換えるほうがよいと判断した。入
れ換える必要があるだけで、最初から書 き直すのは面倒である。手書きの原稿なら、入れ
換えることを示す記号をさらに書き加えるところであ る。ただし、尐し見づらくなる。
しかし、ワープロならば、例2のように、(2)の語義全体を先 頭に移動させることで
簡単に入れ換えられる。

例2:
平面図(2) 建物各階の配置を示すために、建物を水平方向に切断して真上から見た図。
(1)物体を真上から見た 図。投影画法で、平画面へ投影して得た図。
移動させるときに注意は、「どこまでの範囲を」と「 どこへ」の二つである。これを間
違うと、手書きでは考えられないような文章を作ってしまう。
さて、原稿はまだ完成していない。(1)と(2)の順番が逆になったままである。番
号を 付けた箇条書きの項目を移動させるときにも、番号が逆転したままになっていること
が良くある。移動 操作を行ったら、並び方に矛盾が無いか必ず確認品けらばならない。
番号を修正して完成である。

例3:
平面図(1)建物各階の配置を示すために、建物を水平方向に切断して 真上から見た図。
(2)物体を真上から見た図。投影画法で、平画面へ投影して得た図。
ところで、「⑨移動と複写」では、「平面図」の原稿例が3回しめされている。このうち、
実際に入力 したのはれい1だけで、残りは例1全体を複写してから部分的に修正し、この
文章を作成している。複 写しなければ、似た文章をあと2回も入力品けらばなり無いとこ
ろである。

⑩同じコードに対忚する文字(記号)が異なることがある

機種などが異なると 、同じ文字(記号)であってもコードが異なるものがある。たとえ
ば、丸数字「10」のJISコード は、あるものでは292Aだが、別のものでは2D2
Aとなっている。
したがって、MS -DOSを介してた機種でも扱えるようにする場合などでは、注意し
なければならない。

2)レイアウト

ワープロで文書を作成すれば、すぐに印刷物として読んでもら うことができる。従って、
見やすいレイアウトの工夫も必要である。次の点に配慮したい。


①1行の文字数

横書きの場合、1行の文字数は35~40字程度が適当であるといわれている。

②字間と行間

字間は空きすぎに注意し、行間はややゆとりを持たせたほうが よい。ただ、(1)と(2)
は、試(ため)しに印刷をし、自分自身の標準的な数字を決めておくと便 利である。

③半角文字を効果的に使う

アルファバットと数字は半 各自が使える。横書きの文章では、アルファベットと数字に
半角文字を使うと、引き締まった(1.体 や心が強く締まる2.取引で、下がり気味の値
段が上がって活気付く)感じを与えて良くなることがあ る。全角と半角を効果的に使い分
けることが大事である。

④空白をうまくつくる

文字がびっしり詰まった紙面は見づらい。章の区切りは1行あける、長い引用文は改行< br>して本文より2字分下げるなど空白を作り、紙面にゆとりを持たせるようにする。

⑤文字を飾る

強調したい部分は、文字の大きさを変えたり書体を変えたりする とよい。ただし、乱用
すると紙面が見づらくなる。たとえば、各章のタイトルだけを本文の文字の書体 と変える
など、強調といえ、統一感を与えるようにする。

⑥表?グラフ

だらだらと文章で説明するよりも、表やグラフに他方が簡潔?的確に伝えられる情報が< br>ある。読み手に負担をかけないためにも、表やグラフにして、「一目瞭然」で情報が伝え
られる ようにしたい。


3)文章の管理

①文章名はわかりやすく

保存する文章には、その内容がすぐ思い出せる、わかりやすい名前を付けるようにする。< br>「文章1」「文章2」といった、文章の内容が不明の名前を付けないようにする。
初めのう ちは大丈夫かもしれない。しかし、文書の数が増えていくと、文書名を見ただ
けでは内容がわからない 。いちいち文書開いて、内容を確認しなければならなくなる。

②文書名には規則性を持たせる。


文字数などの制限で文書が複数に渡るとき 、ある単位で文書を分けて保存しておくときな
どは、規則性を持った文書名付けるようにする。文書名 に規則性が無いと、検束しづらく
なる。たとえば、日記を1ヶ月単位で1文書にするなら、次のように する。






95日記01(1月)
95日記02(2月)

95日記12(12月)
(注)文書名を数字 を用いるときは、最大のけた数を予想し、これにそろえるようにする
とよい。右の例では、さいだい2 けただから、1月分は「日記」ではなく「日記01」と
する。

③一つのフロッピーディスクには一つのテーマの文書

文書の種類や数が多い場 合には、一つのフロッピーディスクには同じテーマの文書を保
存するとよい。たとえば、日記と手紙は 、それぞれ別のフロッピーディスクに保存すると
いうように。フロッピーディしく単位で文書を管理す ると、必要な文書を探し出すのが容
易になる。

④不要な文書はすぐに削除する

保存しておく必要が無いと判断した文書はすぐに削除すること。削除はいつでもできる< br>と思って放置していると、削除してよいのかどうかがわからなくなることがある。

⑤バックアップを用意する

誤った修正をして文書を保存してしまうことがある 。誤りが尐なければ再修正すること
ですが、多いと大変なことになる。このような場合に備えて、文書 を保存するたびに、文
書のコピーを作成しておくとよい。このコピーをバックアップという。
ただし、バックアップの作成は、何日も継続(けいぞく)して書き続けるような長い文
書に 限ったほうがよい。すべての文書にバックアップを用意すると、文書管理が面倒にな
る。次の二つに注 意する。

*どちらの文書が「オリジナル(原作)」で、どちらが「バックアップ」で あるかが
明らかな文書名を付けること。
*文書の更新の対象は常に「オリジナル」であることを忘れないこと

⑥フォーム(1.形式2.かたち、姿勢)の再利用

ビジネス文書のように標準的な型がある文書(「ビジネス文書の書き方」参照)では、
標準的な型(フォーム)で作られた文書自身を保存しておく。そして、必要があるたびに、
その文章を呼び出し、名前?日付?数値などを書き換えて新しい文書を作成する。こう言
う利用法もある。

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本文更新与2020-10-30 01:36,由作者提供,不代表本网站立场,转载请注明出处:https://www.bjmy2z.cn/gaokao/431754.html

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