消逝的意思-学科的英语
登場人物
漁師: 後藤、後藤、後藤さん、
消防員:
少女の服装は、水色のマフラー、赤いコート???
漁師:
子ども、海に落ちたの、見てんか。え?どうなった、しっかりしろ。
(漁師は母親の道木仁美を見た)あんた、母親だね。
確認してくれ。どうだ。見覚えがあるか、どうなんだ。
道木仁美:
怜南のマフラーです。
他の漁師: マフラーよ。遭難した女の子のよ。
1ヶ月前
(生徒)おはようございます。
(生徒)先生おはようございます。
(生徒)おはよう~
(生徒)おはよう~
主任:
濱田の先生のご病気が治るまで2組の担任をお願いできませんか。
鈴原奈緒:
いや、でも私は???
主任: 3学期だけですし、フローしますから。
三浦先生:
とにかく、今日のところはこれを書かせてください。中庭で飼ってたアヒルが先週死んちゃったんです。
生徒たちに手紙を書かせてください。
鈴原奈緒: 道木さん、よね。
道木怜南:
うん。
鈴原奈緒: 後10分しかないけど、
道木怜南:
うん、ええと、これ書かなきゃダメ?
鈴原奈緒: どうして、書けない理由でもあるの?
道木怜南: アヒルは手紙読みないからよ、死んてるからっこと読めないでしょう。アヒルは字習わ
なかったので、字
を読めないでしょう。
生徒1: アヒルさんはかわいそう。
生徒2: 道木さん意地悪~
鈴原奈緒: 静かにして、静かにして、
道木怜南: 後ね、天国ってある?土の中のこと?
鈴原奈緒:
書きたくなかったら書かなくていいわ。住所が天国じゃ、郵便屋さんは困るわね。
三浦先生:
少し変わった子なんです。父親が早く亡くしてるせいか、たまにわけがわからんことを言ってるんです。
男の先生: 小さいくせに生意気だよね。
三浦先生:
そういうことを思っても言わないでください。
鈴原奈緒: あのう、これどうすれば?
三浦先生: うん、ええと、死んだアヒルに渡しますか?
生徒: さようなら。
鈴原奈緒: 何?落し物だったら、
道木怜南:
違うよ。先生に似合うと思うんだよね。
111
鈴原奈緒:
かぶれってこと?
道木怜南: そうそう。
鈴原奈緒: 何で?
道木怜南:
さっき助けてくれたお礼よ。
鈴原奈緒: あたしは別に???助けてなんて???
道木怜南: ママ、ただいま。
道木仁美: お帰り。
道木怜南:
ママ、これ?
道木仁美: いらないでしょう。
道木怜南:
あ、いらない。ママ、いってらっしゃい。こんにちは、浦上さん。ただいま、鈴
浦上真人:
怜南ちゃん、
道木怜南: はい。
(第1話)
鈴原家
鈴原藤子:
ソースは富むわよ。
鈴原芽衣: 目立つ?目立つと思う?
鈴原藤子:
式までにもっと大きくなるわよ。
鈴原芽衣:
どうしよう?あちのお母さん、こちらできた婚だとまだ知らないんだよ。
鈴原藤子:
どうせばれるんだから、言っちゃいなさいよ。
鈴原芽衣:
安全日ごまかして、妊娠して強引に息子との結婚に持ち込んだを思われるだけよ。
鈴原藤子:
実際そうでしょう。
鈴原芽衣: 実際はそうだけど、そうだとしても???
鈴原果歩:
ただいま。うん、おいしそう。
鈴原芽衣:
あんたは内定をもらったくせに何でまた行くと面接スーツ着てんの?
鈴原果歩:
こんなほうがコンパにもてるし。う~うん、母さんのパスタ最高。
鈴原藤子:
ダメじゃないの、自分の彼女コンパに行かせたら、
木俣耕平: えっ?僕はいいんです。
鈴原藤子: 私と結婚する?ばちいて娘3人いるけど、
鈴原芽衣:
あ、そうだ。奈緒ねえに結婚式の招待状を出しんだけどさ、
鈴原果歩:
うん?妹の結婚式に欠席。
藤吉健輔:
室蘭大の研究室が閉鎖されたのは、我々も驚きました。鈴原さん、今は?
鈴原奈緒:
小学校で教師をしています。アレゴスシステム。
藤吉健輔:
ええ、大白鷲と大白鳥を追っているんです。ああ、どうぞ。うちに来る気はありませんか、鈴原さん。
鈴原奈緒: へぇ?
藤吉健輔: あ、いや、あなたのような人が小学校の先生じゃ不合
意でしょ。決意ができたところだし、教授に話しに
行きます。よろしいですか。
鈴原奈緒:
ありがとうございます。(母からの電話に出る気がない)
鈴原芽衣: 何なの、あの人、
211
鈴原藤子: そんなに言い方しないの。奈緒にも事情あるのよ。
鈴原芽衣: 何が事情よ。
木俣耕平: お姉さんっ俺合ったことがないよね。
鈴原果歩: だって、北海道へ行って、10年以上経つし。最近お正月も帰ってきてないもん。
鈴原芽衣: あっちのお母さんうちの3姉妹だっ知ってるのに、欠席なんかされたら、
鈴原藤子: 大丈夫、私からちょんと話しとくから。
鈴原芽衣: あんなが電話しな
鈴原果歩: うん。気づいてた?
鈴原芽衣:
奈緒ねえは一番電話に出ないのはお母さんが掛けたときよ。
鈴原果歩:
そうだ。あたし達が就活が終わったんだ。
木俣耕平: いや、俺はまだ内定一つももらってない。
鈴原果歩:
今ないってことは終わったってことよ。四月になったら奈緒ねえちゃんのとこに行ってみ?うん~
鈴原芽衣: あんな直接に説得してよ。
(駅内放送:
まもなく発車いたします。黄色の線の内側に避けてください)
(奈緒がポスターに封筒を入れようとする怜南ちゃんを見かけた)
道木怜南:
カラーコーロン、カラーコーロン。あの音、好き。先生も好き?あ、そうだ。ちゃんと、隠れてるかなあ。
鈴原奈緒: 8時すぎよ。あたしこれから食事なんだけど、
道木怜南: 大丈夫、晩御
飯のお金、もらってるもん。あのう、すみません。私、食べ物の中でクリームソーダが一番
好きなの。
鈴原奈緒: 違う。クリームソーダは食べ物じゃないわ。飲み物よ。
(飲み物と聞いた怜南が笑った)
鈴原奈緒: 何よ
道木怜南:
(奈緒の真似をして)飲み物よ。先生って面白いね。
鈴原奈緒: 何も面白くないわ。
道木怜南: 先生、怒った?
鈴原奈緒: 別に怒ってません。
道木怜南:
怒ってるみたいな顔をしてるよ。
鈴原奈緒: こういう顔なの。
道木怜南:
眉毛と眉毛を結びそう。あ、離れた。先生って面白いね。すごく面白い。あのね、先生、質問があるの。
鈴原奈緒: 明日学校で。
道木怜南: あわしのこと嫌いなのかなあ?
鈴原奈緒: 子どもが嫌いなの。
道木怜南: う~ん。
鈴原奈緒: 何?
道木怜南: どうして小学校の先生になっちゃたの?
鈴原奈緒:
なりたくてなったんじゃないわ。
道木怜南: う~ん。
鈴原奈緒: 何よ。
311
道木怜南: 先生にいいものを見せてあげる。私の宝物。好きなも
ののノート。まわる椅子、曲がってる坂道、お風呂
場で出た声、猫と目が合うこと、鈴がひまわりのた
ねを食べるところ、雪を踏みける音、夜の空の雲、クリームソーダ、
好きなものを書いて、嫌いものを
書いてはダメだよ。嫌いもののことを考考えたらダメなの。好きなもののことをずっ
とずっと考えるの
。分かった?
鈴原奈緒: それがどうしたの?
道木怜南:
そしたらね、治るを思うよ。先生は一番好きなものは何?
鈴原奈緒: 無口な子ども。
道木怜南: 鈴、ご飯だよ。こっちおいで。おいしい?もっと食べる?いっぱいたべてね。
鈴原奈緒: ねあ、あなた、さっき、郵便ポスター見てただけど、何かあるの?
道木怜南: あれ、赤色と青色に変わってグルグルしてるでしょう。あれね、よく見てるとね、一日
に1回黄色が出る
の。その時、願ったらどんな願いことでも叶うの。くるくる、くるくる????
鈴原奈緒: ねえ、道木さん、
道木怜南: はい。
鈴原奈緒:
家まで???
道木怜南: 先生お休みなさい。
(この番組は、花王と、ご覧のスポンサーの提供でお送りします)
(翌朝)
男の生徒: アイコでしょう。じゃんけんをすると, グー、チョキ、パー、どれかを出します。ど
れを出しても、勝っ
たり、負けたりします。どうしてでしょう。
鈴原奈緒:
道木さんは?
生徒たち: さっきだっていただよ。
女の生徒:
お手洗いで寝てました。
生徒みんあ: へぇ?
三浦先生:
先生は道木さんのことで何かおかしいことを気づきませんでしたか
鈴原奈緒: ただの貧血じゃ?
三浦先生: 栄養失調かれしれないって。
鈴原奈緒: へぇ?
三浦先生:
身長や体重、発育の面でも平均をずいぶん下回っています。
鈴原奈緒: いや、でも???
身体中に痣や傷があったそうです。
道木怜南: 三浦先生は?
鈴原奈緒:
職員室に行かれたわ。
道木怜南:
何回も聞いたのよ。“ママのこと好き?”って。どうしてそんなこと聞くのかなあ。
鈴原奈緒:
何って答えたの?
道木怜南: “大好き”決まってるでしょ。
鈴原奈緒: そう。
道木怜南: ほっとした?
鈴原奈緒: う~ん?
411
道木怜南: 明日はちゃんと勉強します。
(翌朝)
女の生徒:
起立。例。
生徒たち: おはようございます。
女の生徒: 着席。
三浦先生: 雪の日に自宅の玄関でしゃかみこんでいる道木さんを見た生徒がいました。虐待の可能
性があると思いま
す。母親か、あるいは母親と交際している男がいるらしいんですが、
主任: まあまあまあ、そう結論を急がずに、しっかり確認してください。
三浦先生:
鈴原先生と一緒に道木さんの家に行ってきます。道木さん?道木さん、留守のようですね。丸山小学校の
三浦です。お子さんが登校されないので、どうしたかなと思いまして???
道木仁美:
風邪だって連絡したんです、
三浦先生: ええ、ただ???ねえ、どうしたの?目、痛がった?
道木仁美: 先生に説明しなさい。
道木怜南: ボールがぶつかりました。
道木仁美: 公園でね、かわいそうね。よしよし。
三浦先生:
怜南ちゃんほかにもけががあるんです。
道木仁美: 知ってます。よく転ぶんです。この子。
三浦先生:
失礼ですが、ご同居となさている男性の方がいると伺いました。その方、怜南ちゃんとは???
道木仁美: 何なんですか。
道木怜南: ママ、肉饅冷めちゃうよ。
三浦先生:
ほっとしないでくださいね。あれはお芝居です。虐待されてる子どもは何があっても親を庇うなんです。
鈴原奈緒: ほっとなんて、別に。
三浦先生: あの母親、まだ若く、恋人はまだ離し
たくということは、男の人に暴力を見て見ぬふりさせ、また時には
加担した。つまり???
相談所の人: あのう、ずいぶんとこ内情を調べたようですが、
三浦先生:
今の話は本に書いたことで、
相談所の人: 本?ですか?
三浦先生:
身体中にけがをしてるんです。
相談所の人: 転んだ、だけで言われたんですよね。われわれが調
査しますが、学校さんが何か確証を持っていただか
ないと。
男の先生:
だって、母親に甘いたれをしてるんでしょ。
三浦先生:
頼れるものは親しかいないからです。子どもは媚びるしかないんです。
主任:
とにかく、相談所の言うどおりにしてください。慎重にね。
三浦先生:
悔しいです。児童相談所も、警察も。先生方まで。どうして彼女のしみにあげないのでしょうか。
鈴原奈緒: 当たり前じゃん。
三浦先生: はい?
鈴原奈緒: いえ。
三浦先生: 明日もう一度相談所に行って、あ、ダメだわ。明日は有事だ。お先に失礼します。
511
藤吉健輔:
いい論文じゃないですか。すぐに教授を呼んで行きますから。あっ、研究室で待ってください。
鈴原奈緒: 始めまして、私、以前室蘭大に???
藤吉駿輔:
まあまあ。どうぞどうぞ、座ってください。あんたでしょ、小学校の先生。
鈴原奈緒:
へぇ?あ、ええ。
藤吉駿輔: さっき学生に聞いてうちの兄貴あんたに惚れてるんだって。
鈴原奈緒: はい?
藤吉駿輔: でも以外と、年取ってるね。
藤吉駿輔:
はい、兄貴遅いね。焼き鳥でも食ってるかな。ふん、ねえ、兄貴どう?独身でしょ?結婚とか考えてない
の?興味ない?まあ、硬いというか、男嫌いそうだもんね。あれ?どこ行くの?傷ついた?
鈴原奈緒: あたしは別に???
藤吉健輔: あっ、まだいたのか。早く帰れ。
道木仁美: (買い物から帰った)何これ?
浦上真人: お~ん?ゴミだよ、ゴミ。
道木仁美: こんなとこに?なに?
浦上真人: だからゴミだってば、
道木仁美: 真くん、これ?
浦上真人: 冗談だよ、冗談。
道木仁美:
やめてよ、また変なうわさ立つじゃない。
道木怜南: かくれんぼしたら、出られてなくなっちゃ
て、(仁美が500円玉をテーブルに置いたのを見て)行ってき
ます。
藤吉健輔:
今年もウトナイ湖は例年どおりですか、
道木怜南: ええ、三万羽を超えています。
藤吉健輔: ああ、、教授も歓迎していましたし、おそらく来ていただくことになると思いますよ。
道木怜南: (道路を横断して,自分のところに向かってきた奈緒を見て)先生!
鈴原奈緒: 何をしてんのよ。こんなところで。
道木怜南: あのね???
鈴原奈緒: 今度は何色の郵便ポスターよ!青とか、黄色のが見たことないし、そんなくだらないこ
とを願いことを叶
うことはないでしょ。
鈴原奈緒: (怜南を自宅に連れて、三浦先生と
電話中)今、うちにいます。事情分からないので、本人に聞いてみて
ください。はい、待ちしておりま
す。何か話したいことがあるのなら、三浦先生に言って。あんたのことを心配してく
れるし、何見てる
の?
道木怜南: これ、鈴にあげてもいい?鈴、お腹空いてるの。
鈴原奈緒:
鈴?あ、どうぞ
道木怜南: 残ったから、食べようかな。図書室みたい。
鈴原奈緒:
鳥の本しかないわ。
道木怜南: 鳥の図書室だね。これ、何?
鈴原奈緒:
それで渡り鳥の数を数えてるの。
道木怜南: 先生の仕事?いただき???
611
鈴原奈緒: 食べなさい。
道木怜南:
頂きます。先生、料理上手だね。
鈴原奈緒: これぐらいだれでも???
道木怜南:
私のママも料理上手なんだよ。私が好きもの、いっぱい作ってくれるの。
鈴原奈緒:
何を作ってくれるの?
道木怜南: う~ん?
鈴原奈緒:
お母さん、何を作ってくれるの?
道木怜南: ええと、スパゲッティでしょ、それから???
鈴原奈緒: 何のスパゲッティ?
道木怜南:
あさりのでしょ、ミートソースでしょ、あと、ほれんそうの???
鈴原奈緒:
あの、ごめん、もういいわ。よっかたよね、お母さん、料理上手で、
道木怜南:
うん。ねえ、先生のママは料理上手?ママが料理上手だと、子どもも料理上手になるよね。
鈴原奈緒: 関係ないんじゃない?
道木怜南:
先生のママも美人?どんな顔?似てる?髪の毛が長い?短い?
鈴原奈緒: 忘れたわ。
道木怜南: ママの顔、忘れたの?
鈴原奈緒: もうずいぶん合っていないのよ。
道木怜南: どうして合わないの?
鈴原奈緒: 嫌いだから。ハムスターね。
道木怜南: うん、ハムスター。
鈴原奈緒: 買ってもらったの?
道木怜南: 前に。
鈴原奈緒: そう。苦手なんだよ。こういうの。私いつも一人で食
べてるし、あんたみたいな子と何か話したらいいの
か。
道木怜南:
好きな話をするんだよ。好きなものの話をすると、楽しくなるの。
鈴原奈緒:
好きなものなんて何もないわ。
道木怜南: 私、知ってるよ。先生の好きなもの、見つけた。
鈴原奈緒: 何千キロ、ときには、何万キロの旅を続けてるのに、渡り鳥は道を間違いないの。
道木怜南: 空の道?
鈴原奈緒:
そう、見印なんてないし、地図もないのに彼らはちゃんと目的地に辿りつく。ウトナイ湖はね、あおじ
、
かっこう、つぐみ
道木怜南: つぐみ?
鈴原奈緒:
夏には、青足鴫、白地鳥、
道木怜南: 白地鳥。
鈴原奈緒:
今だったら、雁、鴨、白鳥。
道木怜南: 雁、鴨、白鳥?
鈴原奈緒:
シベリアから来た鳥の羽よ。
道木怜南: シベリア?
711
鈴原奈緒: 北東シベリアのベーリング海沿岸の湖で生まれて、カムチャツカ半島か
らオホーツク海に渡って3500
キロ以上離れた湖にきた鳥。
道木怜南:
この羽できた?私も見たい。渡り鳥。
鈴原奈緒: 朝になったら行ってみる?
道木怜南: 見れるの?
鈴原奈緒: 車で行って、寒いけど、毛布で行けば???
道木怜南: ママ、心配しないかな。
鈴原奈緒: へぇ?
道木怜南:
また、今度にしようかな。
鈴原奈緒: そうね、そうにしなさい。
道木怜南:
ごめんなさい。
鈴原奈緒: 何言ってるのよ。私は別に。
(ドアのリングー)
三浦先生: 鈴原先生、三浦です。
鈴原奈緒: 上着、着ない。
三浦先生:
貴子先生はお母さんに謝ってるからね。
鈴原奈緒:
(マナーモードで着信した携帯電話に出る)鈴原です。
(翌朝)
主任: よかったじゃ
ないですか、本来の仕事に戻れて、まあ、ちょうど春休みに入るし、そんなに大きな仕事なされ
ると。
(教室)
道木怜南: 先生、先生、あのうさ、
鈴原奈緒:
先生に“あのさ”をやめなさい。
道木怜南: うん。
鈴原奈緒:
“うん”じゃないでしょ。
道木怜南: はい。渡り鳥を見に約束なんですけど、
鈴原奈緒: そんな約束してないわ。変な期待しないで。
道木怜南:
はい、分かりました。
鈴原奈緒:
これから三浦さんに相談しなさい。三浦先生なら、ちゃんと???
(放課後)
道木怜南:
鈴?鈴?
(車から降りて家に入ろうとする仁美に)お母さん、鈴は?鈴、どこ行っての?
道木仁美: 天国よ。天国で幸せに暮らしてるの。私のせいじゃないんだから。
道木怜南: そうだね。鈴は天国に行ったんだね。
(ここまでは花王と、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。)
(図書館)
道木怜南: 1月、2月、3月、4月???
係り人: 探し物が見つかった?
811
道木怜南: はい。
(「札幌市」を指して)この漢字何と読むんですか。
係り人: それは「札幌市」。
道木怜南: 好きなもののノート、回る椅子、
(この時、母親の道木仁美が買い物に出かけて怜南がまた浦上に虐待されている)
浦上真人: 着てごらん。
道木怜南: 曲がってる坂道、お風呂場から出た声、猫と目
が合うこと、鈴がひまわりの種を食べるところ、雪を踏み
づける音、
浦上真人:
こっちに聞いてご覧。
道木怜南: 夜の空の雲、クリームソーダ、傘を広く音、クレヨンの白、ワ
ックスがけの日、煙突の梯子、衣替え、み
かんゼリーにでるみかん、雨が降った道のにおい、自転車の
後ろのお席、耳掻き、爪切り、2つ結び、よしよしされる
こと、キューとされること、石鹸のコマーシ
ャルの母さん、
浦上真人: う~うんって、う~うんってしてご覧。
道木怜南:
(帰宅した仁美を見て、駆けつけて)ママ!
道木仁美:
汚い!汚い!汚い!汚い!汚い!汚い!汚い!汚いよ???
浦上真人:
(仁美と二人車で出かけようとする)いいのか。
道木仁美:
36便のホテルがいいじゃない、カラオケできるし。
浦上真人: じゃなくてさ???
道木仁美: 早く出して!
鈴原奈緒: (コートを着いながら電話に出る)いえ、食事
はまだです。はい、では、駅に行きます。20分後には???
ごめんなさい、30分後でもいいですか
。
鈴原奈緒: 何か飲む?何か食べる?どうしよう。ねえ、どこが、どこが行きたいところがある
?遊園地とか、動物園
とか、デパートとか、
道木怜南: 札幌に行きたいです。
鈴原奈緒: 札幌?札幌ね、いいわよ。札幌のどこ行きたい?札幌に何があるの?
道木怜南: 赤ちゃんポスト、赤ちゃんポストに行きたいです。でもポストの写真が載ってないの。
7歳でも入るかな
あ。104センチでも入るかな。
(朝)
道木怜南:
先生、何考えてるの?
鈴原奈緒: うん?あなたが好きなもののこと。
道木怜南:
私の好きなもののこと?
鈴原奈緒: 回る椅子、曲がってる坂道、
道木怜南:
お風呂場ででる声、猫と目が合うこと、
鈴原奈緒:
鈴がひまわりの種を食べるところ、雪を踏み付けること、
道木怜南:
夜の空の雲、クリームソーダ、渡り鳥、
鈴原奈緒: 渡り鳥
道木怜南: (頭の上を
飛んでゆく鳥群を見て、海へ走る)怜南も連れてて、怜南も連れてて、怜南も連れてて、怜南
も連れて
て
911
鈴原奈緒: (走り戻った怜南を抱きしめて)
道木怜南:
ちゃんと数えた?先生数えてなかったでしょ。ダメじゃない、ちゃんと仕事しないと???
鈴原奈緒: 道木さん、聞いて、私はあなたを誘拐しようと思う。
道木怜南:
先生、牢屋に出られない?
鈴原奈緒: そうね、入れられるかもね。
道木怜南:
牢屋は石でできてんだよ。冷たくて、暗くて、ネズミも出るの。お風呂にも入らないの。
鈴原奈緒:
そうね。
道木怜南: ダメだよ。
鈴原奈緒: ダメなことしかできないわ。間違って
るかもしれない。あなたにももっと悲しみをあげるかもしれない。
でも、私はあなたの、あなたの母さ
んになろうと思う。あなたと二人で生きたいと思う。
道木怜南: 先生、
鈴原奈緒:
先生ってダメ、4月1日、分かる?
道木怜南: 明後日、
鈴原奈緒: 嘘ついてもい
い日なの。嘘つくの。この町を出て、誰も私とあなたを知らない場所に。そこで、私はあな
たのお母さ
んで、あなたは私の娘、絶対に誰にも知られてはいけない。一生に嘘を付かなくてはいけない。言える?一生、これからさきに一生。誰でも知らないように、私のこと、お母さんのことって言える?怜南、お母さん
って言える?
道木怜南: お母さん、怜南のお母さん、お母さん、お母さん、怜南のお母さん。
鈴原奈緒: あなたが捨てられたんじゃない。あなたが捨てるの。
(怜南と一緒に町を出ると決意した奈緒は、部屋と車を売って、お金を準備中)
鈴原奈緒:
部屋には荷物が残っています。代金を置いていますので、処分してください。全部です。
(何もしらないままの仁美が怜南の様子を見て、500玉をテーブルに置いて)
道木仁美:
飼いたいなら、飼っていいわよ、ハムスター。あんた聞いての?ハムスター。何よ、人がせっかく???
(靴屋で奈緒が男の子用の靴を怜南のために選びました)
(船舶を整備している漁師が一人の怜南を見て、叫び出した)
漁師:
おい、何してんだ~?今日は海が荒いんだ、津まで流されるぞ!
漁師:
いや~、主任の予報は当てないなんだ~
他の漁師: へぇ?
漁師:
雪になりそうだ。
(岸に戻った漁師が怜南の姿が消えたことに気づき、慌しくなっていた)
漁師: まさかよ、頼む、おい~
(この時、雪が降り始めてきて、海におちた怜南の片手の手袋が、漁師が見つかった)
漁師: だれか、だれか来てくれ!
(この時、鈴原果歩と木俣耕平が北海道にやってきた)
(果歩が奈緒の部屋に到着した時、既に空っぽになった部屋に驚いた)
鈴原果歩:
へぇ?奈緒ねえちゃん???
(この時、奈緒と男の子の扮装をした怜南が室蘭駅に向かっている)
(室蘭発、札幌行きの高速室蘭号で札幌へ行く二人。駅内で怜南が行方不明のニュースが放送されてい
ます)
(今日昼すぎ、絵柄漁港で行方不明になった女の子は目撃者の情報と発見されたマフラーから
、道木怜南さん(7歳)
1011
と判明、懸命な捜索活動を続けていますが、
依然として発見されていません
。捜査開始から3時間以上が経過。現場海域の水温が5度を下回っており、怜南さんの
安否を心配され
ています。)
(発車時の提示メロディが流れてきた。乗車に急ぐ怜南が振り返ったところ、駅弁を購
入して、怜南のところへ向かい
ようとする奈緒が男の声で呼び止められた)
藤吉駿輔:
先生!あ、やっぱり先生だ。どこへ行くの?
鈴原奈緒: ええ、急に用事があって、
藤吉駿輔: うん、あっ、お一人?俺も、ね、これから、ちょうど???
鈴原奈緒:
すみません、時間がないので~
藤吉駿輔:
あ、じゃ、名刺だけど、はい、またね~(携帯電話が鳴って、電話に出て)へぇ?海難事故?
(発車のメロディが再び、怜南が手を振りながら)
道木怜南:
おかあさん、おかあさん、おかあさん、
道木怜南:
(車内で落ち着いた二人)母さんも、母さんの母さんに髪をとかすと?
鈴原奈緒:
そうな、とかしてもらったわ。
道木怜南: じゃ、どうして嫌いになったのか?
鈴原奈緒:
感謝してる。ただ、こうして髪をとかしてもらった時、いつも考えてた、「すみません、すみません」って。
道木怜南: すみません?
鈴原奈緒:
おかしいでしょ、おかあさんにそんなふうに思うなんて、
道木怜南:
どうして人はそんなに思うの?
鈴原奈緒:
(帽子を脱ぎならが)あたしは拾われた子だから、本当のお母さんに捨てられた子だから、
望月葉菜: この子たち、つがい?
店のオーナー: へぇ?あ~。
望月葉菜、飼うならいっぺいじゃないとね。
店の女将:
葉菜ちゃん、今日は店閉めたの?
望月葉菜: 村田おじいちゃんがいます???(急に何か思い出
して)あ、またね、(急いで自分が経営している理髪店
に戻った)おじいちゃん、
村田おじいさん: いいのいいの
望月葉菜: すみません、忘れてしまいました。
(一方、列車にいる奈緒と怜南)
鈴原奈緒: 名前、考えなくちゃね。
道木怜南: 名前はお母さんがつけるのね。
鈴原奈緒:
そうね。”つぐみ”、”つぐみ”なんてどう?
道木怜南: 渡り鳥?
鈴原奈緒:
ダメ?
道木怜南: つぐみ、つぐみがいい。
鈴原奈緒: つぐみ。
道木怜南: はい。
(奈緒が買った駅弁を怜南に渡して、二人は手を重ねていました)
1111